約 900,627 件
https://w.atwiki.jp/kodomoteate/pages/17.html
第1回 子ども手当再審要求ビラ配り ※終了しました 日時:2010年3月13日(土) 13 00 ※途中参加歓迎(メールフォームより管理人までご連絡を) 場所:丸の内ビルディング ロクシタン前に集合 http //www.marunouchi.com/marubiru/access/index.html http //www.marunouchi.com/marubiru/search/floor/all_view.html#tabs1f 丸の内でのポスティングに内容が変更となりました! 途中参加の方はメールフォームよりご連絡ください!!! 持ち物:子ども手当再審議を要求する強い心 あと、少しの勇気 ※配布用のビラは現地でも配布いたしますので、てぶらでも結構です 活動報告 今日は、ビラ配りやポスティングなどの活動をされている方を紹介してもらい、 どのように子ども手当の再審議要求、阻止に繋げていくかを話しあいました。 以下、意見をまとめました。 まず、参加希望を増やすために、人が参加しやすいスレタイとテンプレを作る。 次スレ現行案 【デモ】子ども手当がひどすぎる【しよう】 ↑テンプレ含め、皆さんの意見をお待ちしています。 活動はあくまでも「子ども手当の再審議要求、もしくは反対活動であること」を明記。 (子ども手当自体に反対の方もいれば、外国人への支給のみに反対の方もいるので) 他の法案まで手がまわらないので、あくまで「子ども手当」についてのみ ビラ配りについてもデモについても、まず参加者の安全を考えて行動する。 参院通過が3月以内が考えられるので、それまでに一度大々的にデモをしたい。 一人でも多く参加者を集めるため、メジャーな団体と連絡を取り、一緒にデモができないかお願いする。 もし、大きな団体で反対デモがあるようなら、そちらに参加する。 配るチラシの文章とデザインの見直し。 ビラ配りの場所の見直し。 ビラ配りの参加希望をどうやって増やすか。 前のレスにあったように、大学生への周知活動ができないか考える。 周知しやすいように、wikiを携帯で見れるようにしたい。(←これは参加者のお友達にお願いできるかもしれません) なお、上記レスであがっているデモの危険性ですが、前のレスに書いた通り、 大きな団体(チャンネル桜等)に働きかけて一緒にできないかと考えています。 人数も集められるだろうし、人数が多いということはその分安全なので。 とりあえず、参議院での法案可決(にならないと良いのですが)がいつになりそうか、 週明け自民党に問い合わせます。 参加表明、激励の言葉、改善案などなど、 下記のコメント欄に記入をお願いします! 丸の内になったのですね。夕方以降なら行けそうなんですが -- (ぴい) 2010-03-13 15 11 31 参加できませんが応援してます。 -- (日本人-1) 2010-03-13 19 00 58 実際の行動 頭が下がります。 -- (感謝) 2010-03-13 20 58 16 自民時代は政治に興味がなかったです。まさか毎日新聞2面から見るようになるとは。頑張ってください。メール、FAXで応援させてもらいます。 -- (ニッポニアニッポン) 2010-03-14 02 04 38 頑張りましょう。私も地元北海道でポスティング。 -- (woody) 2010-03-14 03 02 55 こんな法律を野放しにしてちゃダメだ! -- (一国民) 2010-03-14 04 01 54 北海道なので参加できませんが応援しています! -- (北海道人) 2010-03-14 11 22 22 参加したいのですが。遠方より応援してます。 -- (保守) 2010-03-14 16 08 13 今知りました。参加したいです。毎朝違う駅で配りたいです。 -- (もも) 2010-03-15 00 06 29 応援してます!こちらも地道に周知活動がんばります。 -- (大和) 2010-03-17 22 07 05 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/334.html
子どもの権利委員会・一般的意見25号:デジタル環境との関連における子どもの権利 一般的意見一覧 関連資料一般的意見25号最終草案(有料記事) 参考資料欧州評議会 デジタル環境と子どもの権利ガイドライン(2018年) CRC/C/GC/25 配布:一般 2021年3月2日 原文:英語 日本語訳:平野裕二(日本語訳PDF) 子どもの権利委員会 デジタル環境との関連における子どもの権利についての一般的意見25号(2021年) I.はじめに 1.この一般的意見のための協議に参加した子どもたちは、デジタルテクノロジーは自分たちの現在の生活および未来にとってきわめて重要なものだと報告している――「デジタルテクノロジーで、世界中から情報を手に入れることができる」、「(デジタルテクノロジーは)自分のアイデンティティをどう考えればいいかについて、大切な視点を与えてくれた」、「悲しいときには、インターネットが楽しめそうなものを見つけるのに役に立つ」[1] 。 [1] “Our rights in a digital world”, summary report on the consultation of children for the present general comment, pp. 14 and 22. https //5rightsfoundation.com/uploads/Our%20Rights% 20in%20a%20Digital%20World.pdf より入手可能。子どもたちの意見に関するすべての言及は同報告書による。 2.デジタル環境はやむことなく変化・拡大しており、情報通信技術(デジタル化されたネットワーク、コンテンツ、サービスおよびアプリケーションを含む)、インターネットに接続された機器および環境、バーチャルリアリティおよび拡張現実、人工知能、ロボティクス、自動化システム、アルゴリズムおよびデータ分析、バイオメトリクスならびに人体埋め込み型テクノロジーが含まれる [2]。 [2] 用語集は委員会のウェブページより入手可能である。https //tbinternet.ohchr.org/Treaties/CRC/Shared%20Documents/1_Global/INT_CRC_INF_9314_E.pdf 3.デジタル環境は、教育、政府のサービスおよび商業を含む社会的機能が徐々にデジタルテクノロジーに依存するようになりつつあるなか、危機の時期を含め、子どもたちの生活のほとんどの側面を通じてその重要性を増しつつある。デジタル環境は、子どもの権利の実現のための新たな機会を提供すると同時に、これらの権利が侵害されるリスクをもたらすものである。子どもたちは、協議の際、デジタル環境は自分たちの安全かつ公正な関与を支援し、促進しかつ保護するようなものであるべきだという意見を表明した――「政府、テクノロジー企業、先生たちには、オンラインの当てにならない情報に対応する手助けをしてほしい」、「自分のデータが実際どうなるのかについて、はっきりさせてほしい。……誰がデータを集めるの? どんなふうに集められるの?」、「自分のデータがシェアされることが心配」[3]。 [3] "Our rights in a digital world", pp.14, 16, 22 and 25. 4.デジタル環境においてはすべての子どもの権利が尊重され、保護されかつ充足されなければならない。デジタルテクノロジーの革新は、子ども自身はインターネットにアクセスしない場合でさえ、子どもたちの生活および権利に広範かつ相互依存的なやり方で影響を及ぼす。デジタルテクノロジーに意味のある形でアクセスできることは、子どもたちが自己の市民的、政治的、文化的、経済的および社会的権利を余すところなく実現することの支援につながり得る。しかし、デジタルインクルージョンが達成されなければ、すでに存在する不平等がますます大きくなる可能性が高く、かつ新たな不平等が生じかねない。 5.この一般的意見は、締約国報告書を審査してきた委員会の経験、デジタルメディアと子どもの権利に関する一般的討議、人権条約機関の先例、人権理事会および特別報告者の勧告、コンセプトノートおよび発展版草案に関する各国、専門家その他の関係者との2度にわたる協議、ならびに、複数の地域の28か国において多種多様な状況下で暮らしている子どもたち709人との国際的協議を踏まえたものである。 6.この一般的意見は、委員会が発表した他の関連の一般的意見、および、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する条約の選択議定書の実施に関する委員会のガイドラインとあわせて読まれるべきである。 II.目的 7.委員会は、この一般的意見において、デジタル環境で子どもたちの権利の促進、尊重および保護を図る際の機会、リスクおよび課題に照らし、各国がデジタル環境との関係で条約をどのように実施すべきかについて説明するとともに、条約およびその選択議定書に基づく自国の義務の全面的遵守を確保するための関連の立法上、政策上その他の適切な措置に関する指針を示している。 III.一般原則 8.以下の4つの原則は、条約に基づく他のすべての権利の実施の際に持つべき視点を提供するものである。これらの原則は、デジタル環境との関連における子どもたちの権利の実現を保障するために必要な措置を決定するための指針とされるべきである。 A.差別の禁止に対する権利 9.差別の禁止に対する権利により、締約国は、すべての子どもが、子どもにとって意味のあるやり方で、平等かつ効果的にデジタル環境にアクセスできることを確保するよう要求される [4]。締約国は、デジタル面での排除を克服するためにあらゆる必要な措置をとるべきである。これには、専用の公共空間において子どもたちが無償でかつ安全にアクセスできるようにすることや、すべての子どもが、教育現場、コミュニティおよび家庭において負担可能な費用でデジタルテクノロジーにアクセスし、かつこれらのテクノロジーを賢く利用することを支える政策およびプログラムに投資することが含まれる。 [4] 一般的意見9号(2006年)、パラ37-38。 10.子どもたちは、デジタルテクノロジーの利用から排除されることによって、またはこれらのテクノロジーの利用を通じてヘイトスピーチ的な通信または不公正な扱いを受けることによって、差別される可能性がある。情報フィルタリング、プロファイリングまたは意思決定につながる自動化されたプロセスが、バイアスのかかった、部分的なまたは不正に入手された子どもに関する情報に基づいて進められる場合、その他の形態の差別が生じる可能性もある。 11.委員会は、締約国に対し、性、障害、社会経済的背景、民族的もしくは国民的出身、言語または他のいずれかの理由に基づく差別、ならびに、マイノリティおよび先住民族の子ども、庇護希望者、難民および移住者である子ども、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーおよびインタセックスである子ども、人身取引または性的搾取の被害者およびサバイバーである子ども、代替的養護下の子どもならびにその他の脆弱な状況に置かれた子どもに対する差別を防止するため、積極的措置をとるよう求める。 B.子どもの最善の利益 12.子どもの最善の利益は、特定の文脈にふさわしい評価を必要とする動的な概念である [5]。デジタル環境は、もともと子どもたちのために設計されたものではないが、子どもたちの生活で重要な役割を果たしている。締約国は、デジタル環境の整備、規制、設計、管理および利用に関するすべての行動において、すべての子どもの最善の利益が第一次的に考慮されることを確保するべきである。 [5] 一般的意見14号(2013年)、パラ1。 13.締約国は、このような行動に、子どもの権利の充足を監督する国および地方の機関の関与を得るべきである。締約国は、子どもの最善の利益を考慮するにあたり、情報を求め、受けかつ伝える権利、害から保護される権利および自己の意見を正当に重視される権利を含むすべての子どもの権利を顧慮するとともに、子どもの最善の利益の評価および適用された基準に関する透明性を確保するよう求められる。 C.生命、生存および発達に対する権利 14.デジタル環境によって提供される機会は、子どもたちの発達にとってますます決定的な役割を果たすようになりつつあるとともに、とくに危機の状況下においては子どもたちの生命および生存にとってきわめて重要なものとなる可能性がある。締約国は、子どもたちをその生命、生存および発達に対する権利へのリスクから保護するため、あらゆる適切な措置をとるべきである。コンテンツ、接触および契約に関連するリスクには、とくに、暴力的および性的コンテンツ、ネット上の攻撃およびハラスメント、賭け事、搾取および虐待(性的な搾取および虐待を含む)、ならびに、自殺または生命を危うくする活動(犯罪者によるものまたはテロリストもしくは暴力的過激主義者の指定を受けた武装集団によるものを含む)の促進または扇動が含まれる。締約国は、子どもたちが直面している特有のリスクの性質に関して子どもたちの意見を聴くことなどの手段により、多様な状況下で子どもたちが直面する新たなリスクの特定およびこれへの対処を図るべきである。 15.デジタル機器の利用は、害をともなうものであるべきではなく、また子どもたち同士のまたは子どもと親もしくは養育者との直接の相互交流にとって代わるべきでもない。締約国は、脳がもっとも可塑性に富んでおり、かつ子どもの認知的、情緒的および社会的発達のあり方の形成において社会環境(とくに親および養育者との関係)がきわめて重要である乳幼児期におけるテクノロジーの影響に、具体的注意を払うべきである。乳幼児期には、テクノロジーの設計、目的および利用のあり方によって、予防的対応が必要になる場合がある。デジタル機器の適切な利用に関する訓練および助言を、デジタルテクノロジーが子どもの発達(とくに乳幼児期および思春期の神経学的成長加速の臨界期における発達)に及ぼす影響についての調査研究を考慮しながら、親、養育者、教育者その他の関係者に対して提供することが求められる [6]。 [6] 一般的意見24号(2019年)、パラ22および一般的意見20号(2016年)、パラ9-11。 D.意見を聴かれる子どもの権利 16.子どもたちは、デジタル環境が、自分たちに影響を与える事柄について声が聴かれるようにするためのきわめて重要な機会を与えてくれていると報告している [7]。デジタルテクノロジーの利用は、地方、国および国際社会のレベルにおける子ども参加の実現に役立つ可能性がある [8]。締約国は、子どもたちが個人としておよび集団として自分たちの権利を効果的に唱道する存在になれるよう、子どもたちが意見を表明するデジタル手段についての意識およびこれらの手段へのアクセスを促進し、かつ、子どもたちが大人との平等を基礎として、必要な場合には匿名で参加するための訓練および支援を提供するべきである。 [7] "Our rights in a digital world", p.17. [8] 一般的意見14号(2013年)、パラ89-91。 17.デジタル環境との関連における子どもの権利についての法律、政策、プログラム、サービスおよび訓練を発展させる際、締約国は、すべての子どもたちの関与を得て、そのニーズに耳を傾け、かつその意見を正当に重視するべきである。締約国は、デジタルサービスの提供者が、製品およびサービスの開発にあたり、適切な保障措置を適用しながら積極的に子どもたちの関与を得て、かつその意見を正当に考慮することを確保するよう求められる。 18.締約国は、関連する立法上、行政上その他の措置について子どもたちと協議するためにデジタル環境を活用するとともに、子どもたちの意見が真剣に考慮されること、および、子ども参加が、プライバシー、思想および意見の自由に対する子どもたちの権利を侵害する不当な監視またはデータ収集につながらないことを確保するよう奨励される。国はまた、協議のプロセスが、テクノロジーへのアクセスまたはテクノロジーを利用するスキルを欠いている子どもたちを包摂するようなものであることを確保するべきである。 IV.発達しつつある能力 19.締約国は、子どもが能力、理解力および主体性を徐々に身につけていくプロセスを扱った、権利行使を可能にする原則としての子どもの発達しつつある能力 [9] を尊重しなければならない。このプロセスは、子どもが親および養育者の監督からいっそう独立して参加できるデジタル環境においては、特有の重要性を有している。デジタル環境への子どもの関与に関連するリスクおよび機会は、子どもの年齢および発達段階に応じて変わっていく。締約国は、デジタル環境で子どもたちを保護し、または子どもたちによるデジタル環境へのアクセスを促進するための措置を立案する場合には常に、これらの考慮事項を指針とするべきである。年齢にふさわしい措置の立案に際しては、さまざまな学問分野から得られる、利用可能な最善かつ最新の調査研究を参考にすることが求められる。 [9] 一般的意見7号(2005年)、パラ17ならびに一般的意見20号(2016年)、パラ18および20。 20.締約国は、現代世界における子どもたちの変化しつつある位置づけおよび子どもたちの主体性、スキルおよび活動の諸分野全体で不均等に発達する子どもたちの能力および理解力、ならびに、関連するリスクの性質を考慮するべきである。これらの考慮事項については、支援のある環境において自己の権利を行使することの重要性ならびに個人のさまざまな経験および状況との衡量が図られなければならない [10]。締約国は、デジタルサービスの提供者が、子どもの発達しつつある能力にふさわしいサービスを子どもたちに提供することを確保するべきである。 [10] 一般的意見20号(2016年)、パラ20。 21.子どもの養育責任の履行にあたって親および養育者に適切な援助を与える国の義務にしたがい、締約国は、子どもの発達しつつある自律性、能力およびプライバシーを尊重する必要性に関する親および養育者の意識を促進するべきである。締約国は、デジタル環境における子どもたちの権利(保護に対する権利を含む)の実現に関して子どもを援助することに関して親および養育者を手助けするため、デジタルリテラシーおよび子どもたちにとってのリスクに関する意識の獲得に関して親および養育者を支援するよう求められる。 V.締約国による一般的実施措置(第4条) 22.デジタル環境における子どもの権利の実現および子どもの保護のための機会は、広範な立法上、行政上その他の措置(予防的措置を含む)を必要とする。 A.立法 23.締約国は、デジタル環境が条約およびその選択議定書に掲げられた諸権利と両立することを確保するため、国際基準にのっとって国内法の見直し、採択および改定を図るべきである。立法は、テクノロジーの進歩および新たな慣行の誕生のなかで妥当であり続けることが求められる。締約国は、デジタル環境に関連する法律、予算配分およびその他の行政決定に子どもの権利を確実に位置づける目的で子どもの権利影響評価の活用を指示するとともに、デジタル環境に関連する公的機関および企業の間でその活用を促進するべきである [11]。 [11] 一般的意見5号(2003年)、パラ45、一般的意見14号(2013年)、パラ99、一般的意見16号(2016年)、パラ20。 B.包括的な政策および戦略 24.締約国は、子どもの権利に関連する国家的政策においてデジタル環境が具体的に取り上げられることを確保するとともに、規制、業界規範。設計基準および行動計画(これらはすべて定期的な評価および改定の対象とされるべきである)を実施するよう求められる。このような国家的政策においては、デジタル環境への関与から利益を得る機会を子どもたちに提供すること、および、子どもたちによるデジタル環境への安全なアクセスを確保することが目的とされるべきである。 25.オンラインにおける子どもの保護が、子どもの保護に関する国家的政策に統合されるべきである。締約国は、子どもたちをリスク(ネット上の攻撃、ならびに、デジタル技術によって促進されるおよびオンラインで行なわれる子どもの性的な搾取および虐待を含む)から保護するための措置を実施し、このような犯罪が捜査されることを確保し、かつ被害者である子どもたちに救済および支援を提供するよう求められる。締約国はまた、(必要な場合には関連のマイノリティ言語に翻訳された)子どもにやさしい情報を提供するなどの手段により、不利な立場または脆弱な状況に置かれた子どもたちのニーズにも対応するべきである。 26.締約国は、子どもがデジタル環境にアクセスするすべての現場(家庭、教育現場、ネットカフェ、ユースセンター、図書館ならびに保健ケアおよび代替的養護の現場を含む)において、オンラインにおける子どもの保護のための効果的なしくみおよび安全確保方針が運用されることを確保するべきである。 C.調整 27.デジタル環境が子どもたちの権利に及ぼす分野横断的な影響に網羅的に対処するため、締約国は、中央政府の諸部局および各レベルの行政機構の間で子どもの権利関連の政策、指針およびプログラムの調整を図る任務を委ねられた政府機関を指定するべきである [12]。このような国家的調整機関は、部門横断的にならびに国、広域行政圏および地方のレベルにおいてデジタル環境に関連する子どもの権利を実現するため、学校および情報通信技術部門との連携ならびに企業、市民社会、学界および諸団体との協力を図るよう求められる [13]。このような機関は、必要に応じて政府内外の技術的専門性および他の関連の専門性を活用できるべきであり、かつ、その義務の履行における有効性に関して独立の評価の対象とされるべきである。 [12] 一般的意見5号(2003年)、パラ37。 [13] 前掲、パラ27および39。 D.資源配分 28.締約国は、デジタル環境における子どもの権利の全面的実現およびデジタルインクルージョンの向上を目的とする法律、政策およびプログラムの実施のため、公的資源の動員、配分および活用を図るべきである。このような対応は、デジタル環境が子どもたちの生活に及ぼす影響の高まりに対処し、かつ、サービスおよびコネクティビティへのアクセスの平等および負担可能性を促進するために、必要とされる [14]。 [14] 一般的意見19号(2016年)、パラ21。 29.資源が企業セクターから拠出されまたは国際協力を通じて獲得される場合、締約国は、自国の委任事務、歳入動員、予算配分および支出に関して第三者による干渉または阻害が行なわれないことを確保するべきである [15]。 [15] 前掲、パラ27(b)。 E.データ収集および調査研究 30.恒常的に更新されるデータおよび調査研究は、子どもの権利にとってのデジタル環境の意味合いを理解し、デジタル環境が子どもたちに及ぼす影響を評価し、かつ国の介入の有効性を事後に評価することにとって、きわめて重要である。国は、しっかりした包括的なデータが十分な資源を得たうえで収集されること、および、データが年齢、性別、障害、地理的所在、民族的および国民的出身ならびに社会経済的背景によって細分化されることを確保するよう求められる。このようなデータおよび調査研究(子どもたちとともにおよび子どもたちによって実施された調査研究を含む)は、立法、政策および実務の参考とされるべきであり、かつ公有物とされるべきである [16]。子どもたちのデジタル生活に関するデータ収集および調査研究では、子どもたちのプライバシーが尊重され、かつ最高度の倫理基準が満たされなければならない。 [16] 一般的意見5号(2003年)、パラ48および50。 F.独立の監視 31.締約国は、国内人権機関および他の適切な独立機関の委任事項においてデジタル環境における子どもの権利が対象とされ、かつこれらの機関が子どもおよびその代理人からの苦情申立てを受理し、調査しかつこれに対応できることを確保するべきである [17]。デジタル環境関連の活動を監視する独立の監督機関が存在している場合、国内人権機関は、子どもの権利に関する委任事項を効果的に遂行するため、当該機関と緊密に協力することが求められる [18]。 [17] 一般的意見2号(2002年)、パラ2および7。 [18] 前掲、パラ7。 G.情報の普及、意識啓発および研修 32.締約国は、とくに子どもたちに直接または間接の影響を及ぼす行動に従事している人々に焦点を当てながら、デジタル環境における子どもの権利に関する情報の普及および意識啓発の実施を進めるべきである。締約国は、子どもたち、親および養育者ならびに一般公衆および政策立案に携わる人々を対象とする、デジタル製品およびデジタルサービスに関連した機会およびリスクに関わる子どもの権利に関する知識を増進させるための教育プログラムを促進するよう求められる。このようなプログラムには、子どもたちがデジタル製品およびデジタルサービスからどのように利益を得られ、かつデジタルリテラシーおよびデジタルスキルをどのように発達させられるか、子どもたちのプライバシーの保護および被害化の防止をどのようにして図るか、ならびに、オンラインまたはオフラインで加えられる害の被害を受けた子どもをどのように認識し、かつどのように適切に対応するかについての情報が含まれるべきである。このようなプログラムにおいては、調査研究ならびに子どもたち、親および養育者との協議を参考にすることが求められる。 33.子どもたちおよび企業セクターのためにならびに子どもたちおよび企業セクター(テクノロジー産業を含む)とともに働く専門家は、デジタル環境が複合的状況下で子どもの権利にどのように影響を及ぼしているか、子どもたちがデジタル環境でどのように自己の権利を行使しているか、および、子どもたちがテクノロジーにどのようにアクセスしかつそれを利用しているかに関するものを含む研修を受けるべきである。これらの専門家はまた、デジタル環境への国際人権基準の適用に関する研修を受けることも求められる。締約国は、あらゆる教育段階で働く専門家を対象として、その知識、スキルおよび実践の開発支援を目的とした、デジタル環境に関連する着任前研修および現職者研修が実施されることを確保するべきである。 H.市民社会との協力 34.締約国は、子どもの権利に関連する法律、政策、計画およびプログラムの策定、実施、モニタリングおよび評価に、市民社会(子どもの権利の分野で活動している子ども主導のグループおよび非政府組織を含む)およびデジタル環境に関係している人々の組織的関与を得るべきである。締約国はまた、市民社会組織が、デジタル環境に関連する子どもの権利の促進および保護に関わる活動を実施できることも確保するよう求められる。 I.子どもの権利と企業セクター 35.非営利組織を含む企業セクターは、デジタル環境関連のサービスおよび製品の提供に際し、子どもたちの権利に直接・間接の影響を及ぼしている。企業は、子どもたちの権利を尊重し、かつ、デジタル環境との関連で子どもたちの権利侵害の防止および救済を図るべきである。締約国には、企業がこれらの責任を履行することを確保する義務がある [19]。 [19] 一般的意見16号(2013年)、パラ28、42および82。 36.締約国は、自社のネットワークまたはオンラインサービスが子どもの権利(プライバシーおよび保護に対する権利を含む)の侵害を引き起こしまたは助長するようなやり方で利用されることを防止する義務、ならびに、子ども、親および養育者に対して迅速かつ効果的な救済を提供する義務が企業によって遵守されることを確保するため、法律、規則および政策の策定、モニタリング、実施および評価などを通じた措置をとるべきである。締約国はまた、企業に対し、子どもたちによる安全かつ有益なデジタル活動を支援するための公的情報およびアクセシブルで時宜を得た助言の提供も奨励するよう求められる。 37.締約国には、企業体による権利(デジタル環境におけるあらゆる形態の暴力から保護される権利を含む)の侵害から子どもたちを保護する義務がある。企業が有害な行為の実行に直接関与するわけではない場合もあるとはいえ、企業は、デジタルサービスの設計および運用などを通じ、暴力からの自由に対する子どもたちの権利の侵害を引き起こしまたは助長する可能性がある。締約国は、暴力からの保護に対する権利の侵害の防止、ならびに、デジタル環境に関連して生じる権利侵害についての捜査、判決および救済を目的とした法令を整備し、モニタリングしかつ執行するべきである [20]。 [20] 前掲、パラ60。 38.締約国は、企業セクターに対し、デジタル環境が子どもたちに及ぼす、それぞれ異なった、かつ時として深刻になることもある影響をとくに考慮しながら子どもの権利デューディリジェンス(相当の注意)を履行すること、とくに子どもの権利影響評価を実施しかつ公衆に開示することを求めるべきである [21]。締約国は、企業による子どもの権利侵害を防止し、モニタリングし、調査しかつ処罰するために適切な措置をとるよう求められる。 [21] 前掲、パラ50および62-65。 39.締約国は、法律および政策の策定に加え、デジタル環境との関連で子どもの権利に影響を及ぼすすべての企業に対し、自社の製品およびサービスの設計、エンジニアリング、開発、運用、流通およびマーケティングに関する最高水準の倫理基準、プライバシー基準および安全基準にしたがった規制枠組み、業界規範および利用規約を実施するよう求めるべきである。これには、子どもたちをターゲットとする企業、エンドユーザーに子どもたちがいる企業またはその他の形で子どもたちに影響を与える企業が含まれる。締約国は、これらの企業に対し、高水準の透明性およびアカウンタビリティを維持するよう求めるとともに、子どもの最善の利益にのっとった革新のための措置をとることを奨励するべきである。締約国はまた、子どもたちに対するまたは乳幼児の親および養育者に対する、利用規約についての年齢にふさわしい説明を要求することも求められる。 J.商業広告およびマーケティング 40.デジタル環境には、収益創出コンテンツまたは有料コンテンツのターゲティングを目的とする個人データの処理に財政的に依拠している企業も含まれており、このような処理が、意図的か否かにかかわらず、子どもたちのデジタル経験に影響を及ぼしている。これらのプロセスの多くに複数の事業提携先が関与していることから、子どもの権利侵害につながる可能性がある商業活動および個人データ処理の供給網がつくり出されている。このような子どもの権利侵害には、子どもがより過激なコンテンツに向かうことを想定しかつ誘導する広告デザイン上の特徴、睡眠を妨げる自動通知、または商業的動機によるコンテンツであって有害である可能性があるもののターゲティングを目的とする子どもの個人情報もしくは位置情報の利用を通じて行なわれるものが含まれる。 41.締約国は、子ども向けのおよび子どもがアクセスできる広告およびマーケティングを規制する際、子どもの最善の利益を第一次的に考慮するべきである。スポンサーシップ、プロダクトプレイスメントおよび商業的動機による他のあらゆる形態のコンテンツは、他のあらゆるコンテンツと明確に区別されるべきであり、かつ、ジェンダーまたは人種に基づくステレオタイプを固定化させるようなものであるべきではない。 42.締約国は、実際の属性または推定された属性のデジタル記録(グループデータもしくは集約データ、相関分析によるターゲティングまたは嗜好性プロファイリングを含む)に基づいて子どもたち(年齢を問わない)を商業目的のプロファイリングまたはターゲティングの対象とすることを、法律で禁止するべきである。製品、アプリケーションおよびサービスの販売促進を目的としてニューロマーケティング、感情解析、没入型広告ならびに仮想現実および拡張現実の環境下における広告に依拠する慣行についても、子どもたちに直接または間接に働きかけることを禁止することが求められる。 K.司法および救済措置へのアクセス 43.子どもたちは、さまざまな理由により、デジタル環境との関連で司法にアクセスする際に特段の課題に直面する。このような課題は、とりわけ、デジタル環境にとくに関連する子どもの権利侵害について制裁を科す法律が存在しないこと、証拠の取得および加害者の特定が難しいこと、またはデジタル環境における子どもの権利についてもしくは何が子どもの権利の侵害に当たるのかについて子どもたちおよびその親もしくは養育者が知らないことから生ずるものである。子どもたちが機微なまたは私的なオンライン活動の開示を求められる場合、または仲間からの報復もしくは社会的排除に対する恐れを理由として、さらなる課題が生じる可能性もある。 44.締約国は、デジタル環境に関連する子どもの権利侵害についての適切かつ効果的な司法的および非司法的救済の仕組みが、すべての子どもおよびその代理人にとって広く周知され、かつ容易にアクセスできることを確保するべきである。苦情申立ておよび通報のための仕組みは、無償で、安全で、秘密が守られ、応答性が高く、子どもにやさしく、かつアクセシブルな形式で利用可能であることが求められる。締約国はまた、クラスアクションおよび公益訴訟を含む集団的苦情申立て、ならびに、デジタル環境においてまたはデジタル環境を通じて権利を侵害された子どもに対する法的その他の適切な援助(専門サービス機関によるものを含む)についても定めるべきである。 45.締約国は、このような事案を付託し、かつ被害を受けた子どもに効果的支援を提供するための枠組みを確立し、調整し、かつ定期的にモニタリングおよび評価を実施するべきである [22]。枠組みには、被害を受けた子どもの特定、治療およびフォローアップケアならびに社会的再統合のための措置を含めることが求められる。付託のための仕組みには、被害を受けた子どもの特定に関する研修(デジタルサービス提供者を対象とするものも含む)が含まれるべきである。このような枠組みのなかでとられる措置は、捜査過程および司法手続を背景として生じる子どもの再被害および二次被害を防止するため、複数の機関が関与する、子どもにやさしいものであることが求められる。そのためには、秘密を保持しかつデジタル環境に関連した害を是正するための特別な保護措置が必要となる場合もある。 [22] 一般的意見21号(2017年)、パラ22。国連総会決議60/147付属文書〔訳者注/著しい国際人権法違反および深刻な国際人道法違反の被害者の救済および賠償に対する権利に関する基本的原則および指針〕も参照。 46.適切な被害回復措置には、原状回復、補償および満足が含まれ、かつ、謝罪、是正措置、不法なコンテンツの削除、心理的回復サービスへのアクセスその他の措置が必要となる場合もある [23]。デジタル環境における権利侵害との関連で、救済のための仕組みにおいては、子どもたちの脆弱性ならびに継続的および将来的被害を迅速に終了させる必要性が考慮されるべきである。締約国は、関連の法律および政策の改革ならびにその効果的実施などを通じ、侵害が再発しないことを保証するよう求められる。 [23] 一般的意見5号(2003年)、パラ24。 47.デジタルテクノロジーは、国境を越えて行なわれる場合もある子どもに対する犯罪の捜査および訴追をいっそう複雑なものとする。締約国は、デジタルテクノロジーの利用が子どもに対する犯罪の捜査および訴追をどのように容易にしまたは阻害し得るかについて対処するとともに、国際的パートナーとの協力なども通じ、防止、執行および救済のために利用可能なあらゆる措置をとるべきである。締約国は、デジタル環境ととくに関連する子どもの権利侵害に関して、国際協力なども通じ、法執行官、検察官および裁判官を対象とする特別研修を実施するよう求められる。 48.子どもたちは、デジタル環境において企業体による権利侵害を受けた場合に、とくに当該企業が世界的に操業している状況下では、救済を得ることに関して特段の困難に直面する可能性がある [24]。締約国は、企業による域外での活動および操業との関係で、自国と当該行為との間に合理的な結びつきがある場合には、子どもたちの権利を尊重し、保護しかつ充足するための措置を検討するべきである。締約国は、企業が効果的な苦情申立ての仕組みを提供することを確保するよう求められる。ただし、これによって、国を基盤とする救済措置に子どもがアクセスできなくさせられるべきではない。締約国はまた、子どもの権利に関連する監督権限を有する機関(健康および安全、データ保護および消費者の権利、教育ならびに広告およびマーケティングに関連する機関など)が、デジタル環境における子どもの権利侵害に関する苦情申立ての調査および十分な救済措置の提供を行なうことも、確保するべきである [25]。 [24] 一般的意見16号(2013年)、パラ66-67。 [25] 前掲、パラ30および43。 49.締約国は、子どもたちに対し、子どもの権利、ならびに、デジタル環境に関連して自己の権利が侵害された場合に利用可能な通報および苦情申立ての仕組み、サービスならびに救済措置についての子どもに配慮したかつ年齢にふさわしい情報を、子どもにやさしい言語で提供するべきである。このような情報は、親、養育者ならびに子どもとともにおよび子どものために働く専門家に対しても提供することが求められる。 VI.市民的権利および自由 A.情報へのアクセス 50.デジタル環境は、子どもたちが情報にアクセスする権利を実現するための、比類のない機会を約束するものである。この点に関しては、デジタルコンテンツおよびオンラインコンテンツを含む情報通信メディアも重要な機能を果たす [26]。締約国は、子どもたちがデジタル環境で情報にアクセスできること、および、当該権利の行使の制限が、法律で定められており、かつ条約第13条に規定された目的のために必要な場合以外には行なわれないことを確保するべきである。 [26] 一般的意見7号(2005年)、パラ35および一般的意見20号(2016年)、パラ47。 51.締約国は、子どもの発達しつつある能力にしたがった、年齢にふさわしくエンパワーメントにつながる子ども向けのデジタルコンテンツを提供しかつその制作を支援するとともに、子どもたちが、文化、スポーツ、芸術、健康、公民・政治問題および子どもの権利に関する多種多様な情報(公的機関が保有する情報を含む)にアクセスできることを確保するべきである。 52.締約国は、多様な形式を活用し、かつニュースメディア、放送事業者、博物館、図書館および教育・科学・文化組織を含む国内外の多数の情報源から発信される、このようなコンテンツの制作および普及を奨励するべきである。締約国はとくに、障害のある子どもおよび民族的、言語的、先住民族その他のマイノリティの子どもを対象とする多様な、アクセシブルなかつ有益なコンテンツが提供されることを増進するために努力するよう求められる。子どもたちが理解する言語で関連の情報にアクセスできることは、平等に対して相当に肯定的な影響を及ぼし得る [27]。 [27] 一般的意見17号(2013年)、パラ46および一般的意見20号(2016年)、パラ47-48。 53.締約国は、すべての子どもたちが、オンラインの多様かつ良質な情報(商業的または政治的利益集団から独立したコンテンツを含む)についての情報を提供され、かつこれらの情報を容易に見つけられることを確保するべきである。締約国は、自動化された検索・情報フィルタリング(推奨システムを含む)において、商業的または政治的動機を有する有料コンテンツが、子どもたちの選択よりも、または情報に対する子どもたちの権利を犠牲にする形で、優先されないことを確保するよう求められる。 54.デジタル環境には、ジェンダーのステレオタイプを反映した情報、差別的、人種主義的、暴力的、ポルノ的および搾取的な情報のほか、虚偽の言説、誤情報および偽情報ならびに不法なまたは有害な活動への関与を子どもに奨励する情報(武装テロ集団による情報を含む)が含まれている可能性がある。このような情報は、他のユーザー、商業的コンテンツ制作者、性犯罪者またはテロリストもしくは暴力的過激主義者の指定を受けた武装集団を含む、多様な主体から発信されている場合がある。締約国は、有害コンテンツおよび信頼できないコンテンツから子どもたちを保護するとともに、関連の企業その他のデジタルコンテンツ提供者が、子どもたちをその権利および発達しつつある能力にしたがってこのような有害な資料から保護しつつ、情報および表現の自由に対する子どもたちの権利を認識して、子どもたちが多様なコンテンツに安全にアクセスできるようにするためのガイドラインを策定しかつ実施することを確保するべきである [28]。情報普及のためのインターネットを基盤とするシステム、電子的システムその他のシステムの運用に対するいかなる制限も、第13条にのっとっていることが求められる [29]。締約国は、いかなる地域においても、部分的にか全体的にかを問わず、電力供給、移動体通信ネットワークまたはインターネット接続を意図的に妨害しまたは他者に対してそのような妨害を認めるべきではない。このような妨害は、情報および通信に対する子どものアクセスを阻害する効果を有する可能性がある。 [28] 一般的意見16号(2013年)、パラ58および一般的意見7号(2005年)、パラ35。 [29] 自由権規約委員会、一般的意見34号(2011年)、パラ43。 55.締約国は、子どもたちが利用するデジタルサービスの提供者に対し、たとえばコンテンツの年齢へのふさわしさまたは信頼性に関する、簡潔明瞭なコンテンツのラベリングを行なうよう奨励するべきである。締約国はまた、子ども、親および養育者、教育者ならびに関連の専門家集団を対象とする、アクセシブルな指針、訓練、教育資料および通報機構の提供も奨励するよう求められる [30]。年齢にふさわしくないコンテンツから年齢またはコンテンツに基づいて子どもたちを保護するためのシステムは、データの最小限化の原則に一致しているべきである。 [30] 一般的意見16号(2013年)、パラ19および59。 56.締約国は、デジタルサービス提供者が、関連のガイドライン、基準および規範を遵守し [31]、かつ法律にのっとった、必要かつ比例的なコンテンツモデレーション規則を執行することを確保するべきである。コンテンツ管理、学校フィルタリングシステムおよびその他の安全指向技術は、デジタル環境における情報への子どもたちのアクセスを制限するために用いられるべきではない。これらの技術は、有害な資料が子どもたちに供給されることを防止するためだけに用いられるべきである。コンテンツモデレーションおよびコンテンツ管理においては、子どもたちのその他の権利、とくに表現の自由およびプライバシーに対する権利とのバランスを図ることが求められる。 [31] 前掲、パラ58および61。 57.ニュースメディアその他の関連組織が定める職業行動規範には、子どもたちに関わるデジタル関連のリスクおよび機会についての報道のあり方に関する指針が含まれるべきである。このような指針は、被害者およびサバイバーである子どもの身元を明らかにせず、かつ国際人権基準にしたがった、エビデンスに基づく報道につながるようなものであることが求められる。 B.表現の自由 58.表現の自由に対する子どもの権利には、自ら選択するすべての媒体を使って、あらゆる種類の情報および考えを求め、受けかつ伝える自由が含まれる。子どもたちが報告するところによれば [32]、デジタル環境は、子どもたちの考え、意見および政治的見解を表明する相当の機会を提供するものである。不利な立場または脆弱な状況に置かれた子どもたちにとっては、自分の経験をシェアしてくれる他の子どもたちとの、テクノロジーによって容易になる相互交流は、自分自身を表現する一助となり得る。 [32] "Our rights in a digital world", p.16. 59.デジタル環境における表現の自由に対する子どもたちの権利のいかなる制限(安全措置を含むフィルターなど)も、法律にしたがっており、必要であり、かつ比例性を有するものであるべきである。そのような制限の根拠を透明なものとし、かつ子どもたちに対して年齢にふさわしい言葉で伝えることが求められる。締約国は、他者の権利および尊厳を尊重し、かつ法律(憎悪および暴力の扇動に関連するものなど)に違反しないようにしながらこの権利を効果的に行使する方法(とくにデジタルコンテンツを安全に制作しかつシェアする方法)についての情報および訓練の機会を、子どもたちに提供するべきである。 60.子どもたちがデジタル環境で自己の政治的その他の見解およびアイデンティティを表明する際には、批判、敵意、脅迫または処罰の対象とされる場合がある。締約国は、ネット上の攻撃および脅迫、検閲、データ漏洩およびデジタル監視から子どもたちを保護するべきである。子どもたちは、デジタル環境で意見を表明したことを理由として訴追されるべきではない(ただし、条約第13条と両立する刑事法で定められた制限に違反した場合、このかぎりではない)。 61.特定の世界観を推進しようとする商業的および政治的動機が存在することに鑑み、締約国は、情報フィルタリング、プロファイリング、マーケティングおよび意思決定に関する自動化されたプロセスの利用が、デジタル環境において自己の意見を形成しかつ表明する子どもたちの能力を代替し、操作しまたはこれに干渉しないことを確保するべきである。 C.思想、良心および宗教の自由 62.締約国は、デジタル環境における思想、良心および宗教の自由に対する子どもの権利を尊重するべきである。委員会は、締約国に対し、デジタル環境で(たとえば感情の解析または推論によって)思想および信条の自由に対する子どもたちの権利を操作しまたはこれに干渉する慣行を特定し、定義しかつ禁止するデータ保護規則および設計基準を導入しまたは改定するよう、奨励する。自動化システムは、子どもの内心に干渉するために利用される可能性がある。締約国は、子どもたちの行動または感情に影響を与えもしくはこれを左右すること、または子どもの機会もしくは発達を制限することを目的として自動化システムまたは情報フィルタリングシステムが利用されないことを確保するべきである。 63.締約国は、子どもたちがその宗教もしくは信条を理由として処罰されず、または他のいかなるやり方によっても将来の機会を制限されないことを確保するべきである。デジタル環境において自己の宗教または信条を表明する子どもたちの権利の行使に対しては、法律にのっとった、必要な、かつ比例性を有する制限しか課すことができない。 D.結社および平和的集会の自由 64.デジタル環境は、子どもたちが自己の社会的、宗教的、文化的、民族的、性的および政治的アイデンティティを形成し、かつ、仲間として結びついたコミュニティならびに熟議、文化交流、社会的結束および多様性のための公的空間に参加することができる [33]。子どもたちが報告するところによれば、デジタル環境は、関心を共有する仲間、意思決定権者その他の人々と会い、交流しかつじっくりと議論する、貴重な機会を与えてくれるものである [34]。 [33] 一般的意見17号(2013年)、パラ21および一般的意見20号(2016年)、パラ44-45。 [34] "Our rights in a digital world", p.20. 65.締約国は、自国の法令および政策において、部分的にまたはもっぱらデジタル環境で活動している団体に参加する子どもたちの権利が保護されることを確保するべきである。デジタル環境における結社および平和的集会の自由に対する子どもたちの権利の行使には、法律にのっとった、必要でありかつ比例性を有するもの以外のいかなる制限も課すことができない [35]。このような参加が、それ自体として、これらの子どもたちに対する否定的な結果(停退学、将来の可能性の制限もしくは剥奪または警察による個人ファイルの作成など)につながることがあるべきではない。このような参加は、安全であり、プライバシーが守られ、かつ官民の機関による監視から自由であるべきである。 [35] 自由権規約委員会、一般的意見37号(2020年)、パラ6および34。 66.デジタル環境における公的な注目およびネットワーキングの機会も、子どもが主導する行動主義を支え、かつ人権擁護者としての子どもたちのエンパワーメントにつながり得る。委員会は、デジタル環境によって、人権擁護者である子どもたちおよび脆弱な状況に置かれた子どもたちが、相互にコミュニケーションを図り、自分たちの権利を擁護し、かつ結社を結成できるようになることを認識する。締約国は、特別なデジタル空間の創設を促進するなどの手段によりこれらの子どもたちを支援し、かつその安全を確保するべきである。 E.プライバシーに対する権利 67.プライバシーは、子どもたちの主体性、尊厳および安全ならびに権利行使にとってきわめて重要である。子どもたちの個人データは、子どもたちに教育上、健康上その他の利益を提供する目的で処理されている。子どもたちのプライバシーに対する脅威は、公的機関、企業その他の組織によるデータの収集および処理からも、個人情報の不正な取得・利用のような犯罪活動からも生じ得る。脅威はまた、デジタル環境における子どもたち自身の活動からも、家族構成員、仲間その他の者の活動(たとえば親が写真をオンラインでシェアすることまたは見知らぬ者が子どもに関する情報をシェアすること)からも生じ得る。 68.データには、とくに子どもの身元、活動、位置情報、通信、感情、健康および人間関係に関するデータが含まれる場合がある。生体データを含む個人データのある種の組み合わせは、子どもを一意的に特定するために利用し得る。自動データ処理、プロファイリング、行動ターゲティング、義務的本人確認、情報フィルタリングおよび大量監視のようなデジタル慣行が、当たり前に行なわれるようになりつつある。このような慣行は、プライバシーに対する子どもたちの権利への恣意的または不法な干渉につながる可能性がある。このような慣行は子どもたちに悪影響をもたらす可能性があり、子どもたちは人生のその後の段階においても影響を受け続ける場合がある。 69.子どものプライバシーへの干渉が認められるのは、それが恣意的または不法でない場合のみである。したがって、このようないかなる干渉も、法律で定められ、正当な目的の達成を狙いとし、データの最小限化の原則を維持し、比例性を有しており、かつ条約の規定、目的および趣旨に抵触しないものでなければならない。 70.締約国は、子どものデータ処理を行なうすべての組織によっておよびそのようなデータ処理が行なわれるすべての環境において子どもたちのプライバシーが尊重されかつ保護されることを確保するため、立法上、行政上その他の措置をとるべきである。法律には、強力な保障措置、透明性、独立の監督および救済措置へのアクセスを含めることが求められる。締約国は、子どもたちに影響を及ぼすデジタル製品およびデジタルサービスへの、プライバシー・バイ・デザインの統合を要求するべきである。締約国は、プライバシーおよびデータ保護に関する法律を定期的に見直すとともに、手続および実務によって、子どもたちのプライバシーの意図的または偶発的侵害が防止されることを確保するよう求められる。暗号化が適切な手段であると考えられる場合、締約国は、子どもの性的搾取・虐待または子どもの性的虐待表現物の発見および通報を可能にする、適切な措置を検討するべきである。このような措置は、法律適合性、必要性および比例性の原則にしたがい、厳格に限定的なものとされなければならない。 71.子どものデータ処理に対する同意が求められる場合、締約国は、同意が、子どもによって(または、子どもの年齢および発達しつつある能力に応じてその親もしくは養育者によって)、十分な情報に基づいてかつ自由に与えられ、かつ当該データの処理の前に取得されることを確保するよう求められる。子どもの個人データを処理するのに、子ども自身の同意では不十分であると考えられ、親による同意が必要とされる場合、締約国は、同意が十分な情報に基づく意味のあるものであり、かつ子どもの親または養育者によって与えられたことを、このようなデータの処理を行なう組織が確認するよう要求するべきである。 72.締約国は、合理的かつ法律にのっとった制限に服することを条件として、子どもおよびその親または養育者が、保存されているデータに容易にアクセスし、不正確なまたは古くなったデータを訂正し、かつ、公的機関、私人またはその他の機関によって不法にまたは不必要に保存されているデータを削除できることを確保するべきである [36]。締約国はさらに、データ管理者がデータ処理のための正当なかつ優先されるべき理由を示せない場合には、子どもが同意を撤回しかつ個人データ処理に異議を唱える権利を確保するよう求められる。締約国はまた、子ども、親および養育者に対し、子どもにやさしい言葉およびアクセシブルな形式で、このような事柄に関する情報を提供するよう求められる。 [36] 自由権規約委員会、一般的意見16号(1988年)、パラ10。 73.子どもたちの個人データへのアクセスは、定期的監査およびアカウンタビリティ措置のような適正手続上の保障を遵守しながら当該データを処理することについて法律に基づく指定を受けた公的機関、組織および個人に対してのみ、認められるべきである [37]。定められた目的のために収集された子どもたちのデータは、いかなる場面(デジタル化された犯罪記録を含む)においても保護され、かつ当該目的のためにのみ用いられるべきであり、また不法にもしくは不必要に保持されまたは他の目的のために利用されるべきではない。ある場面で提供された情報を他の場面で(たとえば学校教育および高等教育の文脈で)利用することが子どもにとって正当な利益となり得る場合、そのようなデータの利用は透明であり、説明責任が確保され、かつ子ども、親または養育者の同意に適宜服するものであることが求められる。 [37] 前掲および子どもの権利委員会、一般的意見20号(2016年)、パラ46。 74.プライバシーおよびデータ保護に関する法律および措置によって、子どもたちのその他の権利(たとえば表現の自由または保護に関連する権利)が恣意的に制限されるべきではない。締約国は、データ保護法がデジタル環境との関連で子どものプライバシーおよび個人データを尊重することを確保するべきである。継続的な技術革新を通じてデジタル環境の範囲は拡大しつつあり、ますます多くのサービスおよび製品(衣服・玩具など)も含むようになっている。自動化システムに接続された埋込センサーの利用を通じて、子どもたちが時間を費やす環境が「接続した」状態になっていくなか、締約国は、そのような環境に寄与する製品およびサービスが、データ保護およびその他のプライバシーに関わる確固たる規制および基準の対象とされることを確保するべきである。これには、路上、学校、図書館、スポーツ・娯楽施設および商業施設(店舗や映画館を含む)のような公的な場所ならびに家庭が含まれる。 75.子どもたちを対象とするいかなる監視も、関連する自動化された個人データ処理とともに、プライバシーに対する子どもの権利を尊重して行なわれなければならず、かつ、日常的に、無差別に、または子どもが(もしくは乳幼児の場合にはその親もしくは養育者が)知らないところで実施されるべきではない。そのような監視は、商業的場面ならびに教育およびケアの場面において、当該監視に反対する権利が認められないまま行なわれるべきでもなく、かつ、所期の目的を果たすために利用可能なもっともプライバシー干渉度の低い手段が常に考慮されるべきである。 76.デジタル環境は、プライバシーに対する子どもの権利の尊重に関して、親・養育者に特有の問題を生じさせる。安全目的でオンライン活動をモニターするテクノロジー(追跡デバイスや追跡サービスなど)は、慎重に運用されなければ、子どもがヘルプラインにアクセスしたりデリケートな情報を検索したりすることの妨げとなる可能性がある。締約国は、子どもたち、親および養育者ならびに公衆に対し、プライバシーに対する子どもの権利の重要性について、また自分自身の対応が当該権利をどのように脅かしかねないかについて、助言を提供するべきである。どのように対応すれば、子どもたちの安全を保ちつつ、デジタル環境との関連で子どもたちのプライバシーを尊重しかつ保護できるかについても助言を提供することが求められる。親および養育者による子どものデジタル活動のモニタリングは、比例性を有しており、かつ子どもの発達しつつある能力にしたがって行なわれるべきである。 77.身元を保護するオンラインアバターまたはオンライン名を使用している子どもたちは多く、このような対応は子どもたちのプライバシー保護に関して重要なものとなり得る。締約国は、匿名による実践が有害なまたは不法な行動(たとえばネット上の攻撃、ヘイトスピーチまたは性的搾取・虐待など)を隠すために常用されないことを確保しつつ、匿名性に対するセーフティ・バイ・デザインおよびプライバシー・バイ・デザインを統合したアプローチを要求するべきである。デジタル環境における子どものプライバシーの保護は、親もしくは養育者自身が子どもの安全にとって脅威となっている場合または子どもの養育をめぐって紛争中である場合に、きわめて重要になり得る。このような事案では、プライバシーに対する子どもの権利を保護するため、さらなる介入および家族カウンセリングその他のサービスが必要となる場合がある。 78.デジタル環境における子どもたち向けの防止サービスまたは相談サービスの提供者は、子どものユーザーが当該サービスにアクセスするために親の同意を得なければならないとするいかなる要件からも免除されるべきである [38]。このようなサービスは、プライバシーおよび子どもの保護に関する高い基準の遵守が求められる。 [38] 一般的意見20号(2016年)、パラ60。 F.出生登録およびアイデンティティに対する権利 79.締約国は、保健、教育および福祉を含むサービスへのアクセスを促進するため、すべての新生児が国の公的機関によってその出生を登録されかつ公式に承認されることを可能にする、デジタル身元確認システムの活用を促進するべきである。出生登録が行なわれないことは、条約およびその選択議定書に基づく子どもたちの権利の侵害を助長する。締約国は、とくに遠隔地の子ども、難民および移住者である子ども、危険な状況にある子どもならびに周縁化された状況にある子どもを対象として出生登録へのアクセスを確保するため、移動登録班を含む最新のテクノロジーを活用するとともに、デジタル身元確認システムの前に出生した子どもも対象とするべきである。このようなシステムが子どもたちにとって有益なものとなるようにするため、締約国は、意識啓発キャンペーンを実施し、モニタリング機構を設置し、コミュニティの関与を促進し、かつ、民事登録担当官、裁判官、公証人、保健担当官および子どもの保護機関要員間の効果的調整を確保するよう求められる。締約国はまた、プライバシーおよびデータ保護に関する確固たる枠組みが整備されていることも確保するべきである。 VII.子どもに対する暴力 80.デジタル環境は、子どもが暴力を経験する状況や自分自身または他者に害を与えるよう感化される可能性がある状況を助長することにより、子どもたちに対して暴力が加えられる新たな道を開く可能性がある。パンデミックなどの危機にあっては、このような状況では子どもたちがバーチャルプラットフォームで過ごす時間が増えることに鑑み、オンラインにおける害のリスクが高まるおそれがある。 81.性犯罪者は、性的目的で子どもを勧誘したり、オンラインでの子どもの性的虐待に(たとえばライブビデオストリーミングによって、子どもの性的虐待表現物の製造および頒布によってならびに児童エロチカを通じて)参加したりする目的で、デジタルテクノロジーを利用する可能性がある。デジタル化で容易になる諸形態の暴力および性的搾取・虐待は、子どもが信頼する人間関係のなかで、家族もしくは友人によってまたは思春期の子どもの場合には親密なパートナーによって行なわれる場合もあり、またネット上の攻撃(いじめおよび名誉への脅威を含む)、同意を得ずに行なわれる性的テキストまたは画像の作成またはシェア(誘惑や強要による自製コンテンツなど)および自傷行動(刃物による自傷、自殺行動または摂食障害など)の促進などが含まれ得る。子どもがこのような行動をとった場合、締約国は、可能な場合には常に、関係する子どもを対象とする予防、安全確保および修復的司法のアプローチを追求するべきである [39]。 [39] 一般的意見24号(2019年)、パラ101およびCRC/C/156〔子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の実施に関するガイドライン〕、パラ71。 82.締約国は、デジタル環境における暴力から子どもたちを保護するための立法上および行政上の措置をとるべきである。これには、デジタル環境におけるあらゆる形態の暴力に関わってすでに認識されているリスクおよび新たに生じつつあるリスクから子どもたちを保護する確固たる法令上および制度上の枠組みを定期的に見直し、改定しかつ執行することが含まれる。このようなリスクには、身体的または精神的暴力、傷害または虐待、ネグレクトまたは不適切な取扱い、搾取および虐待(性的搾取・虐待を含む)、子どもの人身取引、ジェンダーに基づく暴力、ネット上の攻撃、サイバーアタックならびに情報戦が含まれる。締約国は、子どもたちの発達しつつある能力にしたがって安全措置および保護措置を実施するべきである。 83.デジタルテクノロジーは、テロリストまたは暴力的過激主義者の指定を受けた武装集団を含む非国家集団が、暴力への関与または参加を目的として子どもたちを募集しかつ搾取するための新たな道を開き得る。締約国は、テロリスト集団または暴力的過激主義者集団による子どもの募集が法律で禁じされることを確保するべきである。このような文脈で刑事上の罪を問われた子どもは第一次的には被害者として扱われるべきだが、告発される場合には子ども司法制度を適用することが求められる。 VIII.家庭環境および代替的養護 84.多くの親および養育者は、デジタル環境との関連で子どもたちを援助するための技術的理解、能力およびスキルを発展させるために支援を必要としている。締約国は、親および養育者がデジタルリテラシーを獲得し、テクノロジーがどのように子どもの権利の支えになり得るかを学び、かつオンラインの害の被害を受けた子どもを認識して適切に対応するための機会を持てることを確保するべきである。不利な立場または脆弱な状況に置かれた子どもたちの親および養育者に対し、特別な注意を払うことが求められる。 85.デジタル環境に関する支援と指針を親および養育者に提供するにあたり、締約国は、子どもの発達しつつある能力にしたがって子どもたちの自律性の高まりおよびプライバシーの必要性を尊重することに関する意識を促進するべきである。締約国は、子どもたち(親および養育者が想定するよりも低い年齢の子どもたちを含む)はデジタルな機会をしばしば積極的に利用して実験するものであり、かつリスクに遭遇する可能性があることを考慮するよう求められる。子どもたちからは、とくに親および養育者のアプローチが懲罰的であり、過剰に制限的であり、または自分の発達しつつある能力にあわせて修正されていない場合に、自分たちのデジタル活動に関してもっと支援と励ましがほしいと報告する声もあった [40]。 [40] "Our rights in a digital world", p.30. 86.締約国は、親および養育者に提供される支援と指針が、親子関係の特殊性および特有の性質に関する理解に基づくものであるべきことを考慮するよう求められる。このような指針は、親が、禁止または管理よりも相互の共感と尊重に基づき、子どもの保護と高まりつつある自律性との間で適切なバランスを維持することを支援するようなものであるべきである。親および養育者が親としての責任と子どもの権利とのバランスを維持する一助とするため、子どもの発達しつつある能力の考慮とあわせて適用される子どもの最善の利益を指導的原則とすることが求められる。親および養育者向けの指針では、デジタル環境における子どもたちの社会的活動、創造的活動および学習活動が奨励されるべきであり、かつ、デジタル機器の利用が、子どもたち同士のまたは子どもたちと親または養育者との、応答性に満ちた直接の相互交流にとって代わるべきではないことが強調されるべきである。 87.家族と離れ離れになった子どもがデジタルテクノロジーにアクセスできることは重要である [41]。科学的知見が示すところによれば、デジタルテクノロジーは、たとえば親が別居している場合〔もしくは〕子どもが代替的養護に措置された場合に家族関係を維持するうえで、子どもと養親または里親の候補との関係を確立するうえで、または人道危機の状況下にある子どもが家族と再会できるようにするうえで、有益なものとなる。したがって、家族が離れ離れになっている状況下で、締約国は、子どもの安全および最善の利益を考慮しながら、子どもたちおよびその親、養育者またはその他の関係者を対象として、デジタルサービスへのアクセスを支援するべきである。 [41] 一般的意見21号(2017年)、パラ35。 88.デジタルインクルージョンを増進させるための措置は、親もしくは他の家族構成員または養育者(同居しているか別居しているかを問わない)が子どもを危険な状況に置く可能性がある場合には、子どもを保護する必要性とのバランスが図られるべきである。締約国は、このようなリスクが、デジタルテクノロジーの設計および利用を通じて(たとえば人権侵害を行なう可能性のある者に対して子どもの位置情報が明らかにされることによって)発生する可能性があることを考慮するよう求められる。締約国は、これらのリスクを認識して、セーフティ・バイ・デザインおよびプライバシー・バイ・デザインを統合したアプローチを要求するとともに、親および養育者がこのようなリスクおよび子どもを支援しかつ保護するために利用可能な戦略について十分に認識していることを確保するべきである。 IX.障害のある子ども 89.デジタル環境は、障害のある子どもたちが他の子どもたちと社会的関係を結び、情報にアクセスし、かつ公的意思決定プロセスに参加する新たな経路を開くものである。締約国は、このような新たな経路を追求するとともに、新たな障壁が生み出されることを防止し、かつデジタル環境に関連して障害のある子どもたちが直面している障壁を克服するための措置をとるよう求められる。 90.さまざまな態様の障害(身体障害、知的障害、心理社会的障害、聴覚障害および視覚障害を含む)がある子どもたちは、コンテンツの形式がアクセシブルではないこと、家庭、学校およびコミュニティにおける負担可能な支援テクノロジーへのアクセスが限られていること、学校、保健施設その他の環境でデジタル機器の使用が禁じられていることなど、デジタル環境へのアクセスに関してさまざまな障壁に直面している。締約国は、障害のある子どもたちがアクセシブルな形式のコンテンツにアクセスできることを確保し、かつ、これらの子どもたちに差別的影響を及ぼす政策を廃止するべきである。締約国は、とくに貧困下で暮らしている障害のある子どもを対象として、必要な場合には負担可能な支援テクノロジーへのアクセスを確保するとともに、障害のある子どもたち、その家族および教育施設その他の関連の現場の職員がデジタルテクノロジーを効果的に活用するための十分な知識およびスキルを身につけられるよう、意識啓発キャンペーンおよび訓練の実施ならびにリソースの提供を図るよう求められる。 91.締約国は、さまざまな態様の障害がある子どもの必要を満たす技術的革新を促進するとともに、デジタル製品およびデジタルサービスが、すべての子どもが例外なくかつ調整を必要とせずに利用できるよう、ユニバーサルアクセシビリティを目指して設計されることを確保するべきである。デジタル環境における障害のある子どもたちの権利の実現に影響を及ぼす政策、製品およびサービスの設計および提供には、障害のある子どもたちの関与を得ることが求められる。 92.障害のある子どもたちは、デジタル環境において、ネット上の攻撃および性的搾取・虐待を含むリスクにいっそうさらされる可能性がある。締約国は、障害のある子どもたちが直面するリスクを特定しかつこれに対処して、これらの子どもたちが直面する過剰な保護または排除につながりかねない偏見に対抗しつつ、デジタル環境がこれらの子どもたちにとって安全であることを確保するための措置をとるべきである。デジタル環境に関連する安全情報、保護方策および広報情報、サービスならびにフォーラムは、アクセシブルな形式で提供することが求められる。 X.基礎保健および福祉 93.デジタルテクノロジーは、保健サービスおよび保健情報へのアクセスを促進し、かつ妊産婦、新生児および児童期・思春期の子どもの身体的および精神的健康ならびに栄養のための診断・治療サービスを向上させ得る。デジタルテクノロジーはまた、不利な立場もしくは脆弱な状況に置かれた子どもたちまたは遠隔地の子どもたちにサービスを行き届かせる重要な機会を提供するものでもある。公の緊急事態または保健上もしくは人道所の危機の際には、デジタルテクノロジーを通じた保健サービスおよび保健情報へのアクセスが唯一の選択肢となる場合もあり得る。 94.子どもたちが報告するところによれば、子どもたちは、健康およびウェルビーイングに関連する情報および支援(身体的健康、精神的健康、セクシュアル/リプロダクティブヘルス、第2次性徴および避妊に関わるものを含む)をオンラインで検索することを重視している [42]。とくに思春期の子どもたちは、精神保健およびセクシュアル/リプロダクティブヘルスに関する、無償で、秘密が守られ、年齢にふさわしくかつ差別的ではないサービスにオンラインでアクセスしたいと考えている [43]。締約国は、子どもたちが、信頼できる保健情報および保健サービス(心理相談サービスを含む)に安全に、安心してかつ秘密が守られる形でアクセスできることを確保するべきである [44]。これらのサービスは、サービス遂行のために必要な限度を超えて子どもたちのデータを処理するべきではなく、かつ専門家または適切な訓練を受けた者によって提供されるべきであり、また規制された監督の仕組みをともなっていることが求められる。締約国は、デジタル化された保健製品および保健サービスによって、対面型保健サービスへの子どもたちのアクセスにおける不平等が生じまたは強化されないことを確保するべきである。 [42] "Our rights in a digital world", p.37. [43] 一般的意見20号(2016年)、パラ59。 [44] 前掲、パラ47および59。 95.締約国は、子どもたちの特有の保健ニーズに焦点を当て、かつ技術の進歩を通じて子どもたちにとっての肯定的な健康アウトカムを促進するような調査研究および開発を奨励し、かつこのような調査研究および開発への投資を行なうよう求められる。デジタルサービスは、子どもたちに対する対面型保健サービスの提供を補完しまたは向上させるために利用されるべきである [45]。締約国は、規制の導入または改定により、保健テクノロジーおよび保健サービスの提供者に対して、その機能、コンテンツおよび頒布の中心に子どもの権利を位置づけるよう要求することが求められる。 [45] 前掲、パラ47-48。 96.締約国は、誤情報ならびに子どもの精神的または身体的健康を害する可能性がある資料およびサービスの拡散を防止するため、既知の害に対して規制を行なうとともに、公衆衛生セクターで新たに判明した調査研究の結果およびエビデンスを積極的に考慮するべきである。デジタルゲームまたはソーシャルメディアへの不健康な関与を防止するための措置(子どもたちの発達および権利を阻害するデジタルデザインの機制など)も必要になる場合がある [46]。 [46] 一般的意見15号(2013年)、パラ84。 97.締約国は、身体活動および社会的活動を含む健康的なライフスタイルを促進するためのデジタルテクノロジーの利用を奨励するべきである [47]。特定の食料品および飲料品、アルコール、薬物ならびにタバコその他のニコチン製品を含む不健康な製品の販売促進に子どもたちがさらされることを防止するため、締約国は、ターゲティングによるまたは年齢にふさわしくない広告、マーケティングまたは他の関連のデジタルサービスを規制するよう求められる [48]。デジタル環境に関連するこのような規制は、オフライン環境における規制と両立しかつ足並みを揃えるようなものであるべきである。 [47] 一般的意見17号(2013年)、パラ13。 [48] 一般的意見15号(2013年)、パラ77。 98.デジタルテクノロジーは、休息、運動ならびに仲間、家族およびコミュニティとの直接的相互交流の必要性とのバランスがとられている場合には、子どもたちが健康およびウェルビーイングを向上させる多くの機会を与えてくれる。締約国は、子どもたち、親、養育者および教育者を対象として、デジタル活動と非デジタル活動および十分な休息との健康的バランスの重要性に関する指針を策定するべきである。 XI.教育、余暇および文化的活動 A.教育に対する権利 99.デジタル環境は、質の高いインクルーシブな教育(フォーマルな学習、インフォーマルな学習、子どもたち同士の学習および独学のためのリソースを含む)への子どもたちのアクセスをおおいに可能にしかつ増進させることにつながり得る。デジタルテクノロジーの活用により、教員・生徒間および学習者間のエンゲージメントも強化される可能性がある。子どもたちは、教育へのアクセスを向上させ、かつ学習および課外活動への参加を支えるうえでデジタルテクノロジーが重要であることを強調している [49]。 [49] "Our rights in a digital world", pp.14, 16 and 30. 100.締約国は、多様かつインタラクティブなデジタル学習リソース(先住民族に関するリソースを含む)および子どもたちが理解できる言語でのリソースに子どもたちがアクセスできるようにするため、文書館、図書館および博物館のような教育・文化施設を支援するべきである。これらのものをはじめとする貴重なリソースは、子どもたちが自分たち自身の創造的、市民的および文化的実践に従事することの支えとなり、かつ他者の実践について学べることにつながる可能性がある [50]。締約国は、オンライン学習および生涯学習のための子どもたちの機会を増進するべきである。 [50] 一般的意見17号(2013年)、パラ10。 101.締約国は、学校その他の学習現場における技術インフラに対して公平な投資を行ない、十分な数のコンピューター、良質かつ高速なブロードバンドおよび安定した電源、デジタル教育テクノロジーの活用に関する教員研修、アクセシビリティならびに学校テクノロジーの時宜を得たメンテナンスが利用可能でありかつ負担可能であることを確保するべきである。締約国はまた、多様かつ良質なデジタル教育リソースが子どもたちの理解できる言語で制作されかつ普及されることを支援し、かつ、既存の不平等(女子が経験している不平等など)が悪化しないようにすることも求められる。締約国は、デジタルテクノロジーの活用が対面型教育を阻害しないことおよび教育目的のために正当なものであることを確保するべきである。 102.学校に物理的に出席していない子どもたちや、遠隔地に暮らしておりまたは不利な立場もしくは脆弱な状況に置かれている子どもたちにとっては、デジタル教育テクノロジーによって遠隔学習または移動学習が可能となり得る [51]。締約国は、遠隔学習のために必要な基本的便益(機器、電気、接続環境、教材および専門的支援へのアクセスを含む)にすべての子どもたちがアクセスできるようにするための適正なインフラが整備されることを確保するべきである。締約国はまた、学校が親および養育者に対して家庭での遠隔学習に関する指針を示すための十分な資源を有すること、ならびに、デジタル教育のための製品およびサービスが、対面型教育サービスへの子どもたちのアクセスに関する不平等を生じさせまたは悪化させないことを確保するべきである。 [51] 女性差別撤廃委員会の合同一般的勧告31号/子どもの権利委員会の合同一般的意見18号(2019年)、パラ64ならびに子どもの権利委員会、一般的意見11号(2009年)、パラ61および一般的意見21号(2017年)、パラ55。 103.締約国は、学校と、価値のある教育上の利点の提供を増進させることを目的として教育テクノロジー・教材の調達および利用に責任を負うその他の関連機関を対象とする、エビデンスに基づいた政策、基準およびガイドラインを策定するべきである。デジタル教育テクノロジーに関する基準においては、これらのテクノロジーの利用が倫理にかなっておりかつ教育目的にとって適切であること、ならびに、子どもたちが暴力、差別、個人データの悪用、商業的搾取またはその他の権利侵害(子どもの活動を記録し、かつ子どもが知らないまままたは子どもの同意を得ずに当該記録を親または養育者と共有するためにデジタルテクノロジーを利用することなど)にさらさないことを確保するよう求められる。 104.締約国は、デジタルリテラシーが、就学前の段階から全学年を通じて基礎教育カリキュラムの一環として学校で教えられること、および、このような教育方法がその成果に基づいて評価されることを確保するべきである [52]。カリキュラムには、幅広い範囲のデジタルツールおよびデジタルリソースを安全に取り扱うための知識およびスキル(コンテンツ、制作、合作、参加、社会化および市民的関与に関連するものを含む)を含めることが求められる。カリキュラムにはまた、批判的思考、信頼できる情報源を見つけ出しかつ誤情報およびその他の形態のバイアスがかかったまたは虚偽のコンテンツ(セクシュアル/リプロダクティブヘルス関連の問題を含む)を判定する方法に関する指針、デジタル環境における子どもの権利を含む人権ならびに利用可能な形態の支援および救済措置も含まれるべきである。締約国はまた、コンテンツ、接触、行動および契約に関連するリスク(ネット上の攻撃、人身取引、性的搾取・虐待その他の形態の暴力を含む)にさらされることによって生じる可能性のある悪影響と、害を低減させるための対処方策ならびに自分自身および他人の個人データを保護する方策および子どもたちの社会的・情緒的スキルとレジリエンスを構築するための方策に関する意識を、子どもたちの間で促進するべきである。 [52] 一般的意見20号(2016年)、、パラ47。 105.子どもたちが、デジタル環境(そのインフラ、事業慣行、巧みな誘導戦略ならびに自動化処理および個人データの利用ならびに監視を含む)と、デジタル化が社会に及ぼす可能性のある悪影響について理解することは、ますます重要になっている。教員、とくにデジタルリテラシー教育およびセクシュアル/リプロダクティブヘルス教育を行なう教員は、デジタル環境に関わる安全確保についての研修を受けるべきである。 B.文化、余暇および遊びに対する権利 106.デジタル環境は、子どもたちのウェルビーイングおよび発達にとって不可欠である、文化、余暇および遊びに対する子どもたちの権利の促進につながる [53]。すべての年齢層の子どもたちが、自ら選んださまざまなデジタル製品およびデジタルサービスに関与することを通じて喜び、興味および気晴らしを経験したこと [54] とともに、他方で、デジタル環境での遊びがどれほど大切か、またそれを友達とどのように共有できるかについて大人がわかってくれないかもしれないと心配していることを報告している [55]。 [53] 一般的意見17号(2013年)、パラ7。 [54] "Our rights in a digital world", p.22. [55] 一般的意見17号(2013年)、パラ33。 107.デジタルな形態の文化、レクリエーションおよび遊びは、子どもたちの支えおよび利益になり、かつ子どもたちのさまざまなアイデンティティ、とくに文化的アイデンティティ、言語および遺産を反映しかつ促進するようなものであるべきである。このことは、子どもたちの社会的スキル、学習、表現、音楽・芸術などの創造的活動、帰属感および共有された文化の促進につながり得る [56]。オンラインでの文化的生活への参加は、創造性、アイデンティティ、社会的結束および文化的多様性に貢献する。締約国は、子どもたちが、情報通信技術を試し、自己表現し、かつオンラインで文化的生活に参加するために自由時間を利用する機会を持てることを確保するべきである。 [56] 前掲、パラ5。 108.締約国は、デジタルテクノロジーおよびデジタルサービスであって余暇時間の子どもたち向けのもの、余暇時間に子どもたちがアクセスするものまたは余暇時間の子どもたちに影響を及ぼすものが、文化、レクリエーションおよび遊びに関する子どもたちの機会を増進させるようなやり方で設計され、頒布されかつ利用されることを確保するため、規制を行ない、かつ専門家、親および養育者向けの指針を示すとともに。デジタルサービス提供者と適宜連携するべきである。これには、子どもたちの自律、人格形成および楽しみを支えるデジタル環境での遊びおよび関連の活動に関する革新を奨励することも含まれ得る。 109.締約国は、デジタル環境における文化、余暇および遊びの機会の促進と、子どもたちが生活している物理的場所での魅力的な選択肢の提供とのバランスがとられることを確保するべきである。とくに乳幼児期には、子どもたちの言語、協調、社会的スキルならびに感情的知性は、もっぱら身体運動および他者との直接の対面型相互交流をともなう遊びを通じて獲得される。年長の子どもたちにとっては、身体活動をともなう遊びおよびレクリエーション、チームスポーツならびにその他の野外レクリエーション活動は、健康上の利益ならびに機能的および社会的スキルの獲得をもたらし得るものである。 110.余暇時間をデジタル環境で過ごすことにより、子どもたちは、たとえばそれとはわかりにくい広告もしくは誇大広告または著しく誘導的もしくは射幸的なデザイン上の特徴を通じて、害を受けるリスクにさらされる可能性がある。締約国は、データ保護、プライバシー・バイ・デザインおよびセーフティ・バイ・デザインのアプローチならびにその他の規制措置を導入しまたは活用することによって、企業が、これらの技法および子どもの利益よりも商業的利益を優先させることを目的としたその他の技法を用いて子どもたちをターゲットとすることがないようにするべきである。 111.締約国または企業が、デジタル環境における特定の形態の遊びおよびレクリエーションに関して指針の提示、年齢によるレーティング、ラベリングまたは認証を行なう場合、それらの指針等は、デジタル環境全体への子どもたちのアクセスを縮小し、または子どもたちの余暇機会もしくはその他の権利に干渉しないような形で作成されるべきである。 XII.特別な保護措置 A.経済的、性的その他の形態の搾取からの保護 112.子どもたちは、デジタル環境との関連で、その福祉のいかなる側面にとっても有害なあらゆる形態の搾取から保護されるべきである。搾取は、児童労働を含む経済的搾取、性的搾取・虐待、子どもの売買、取引および誘拐ならびに犯罪活動(サイバー犯罪を含む)に参加させるための子どもの募集など、多くの形態をとって行なわれる可能性がある。子どもたちは、コンテンツを制作しかつシェアすることによってデジタル環境で経済的主体となり、その結果として搾取される可能性もある。 113.締約国は、子どもたちが経済的、性的その他の形態の搾取から保護され、かつ、デジタル環境での仕事に関わる子どもたちの権利および関連する報酬の機会が保護されることを確保するため、関連の法律および政策を見直すべきである。 114.締約国は、適切な執行の仕組みが設けられることを確保するとともに、適用される保護へのアクセスに関して子どもたち、親および養育者を支援するべきである [57]。締約国は、子どもたちが有害な物品(武器もしくは薬物など)またはサービス(賭け事など)から保護されることを確保するための法律を制定するよう求められる。子どもたちが自己所有または自己使用のために不法な製品およびサービスにアクセスすることを防止するため、しっかりした年齢認証システムが利用されるべきである。そのようなシステムは、データ保護および安全確保に関わる要件に一致したものであることが求められる。 [57] 一般的意見16号(2013年)、パラ37。 115.人身取引(その構成要素である行動および関連の行為を含む)を捜査し、訴追しかつ処罰する国家の義務を考慮し、締約国は、人身取引対策法を策定しかつ更新して、テクノロジーによって容易になる犯罪集団による子どもたちの募集が禁止されるようにするべきである。 116.締約国は、デジタル環境で発生する犯罪(詐欺および個人情報の不正な取得・利用を含む)子どもたちを保護し、かつデジタル環境における犯罪が捜査および訴追の対象とされることを確保するために十分な資源を配分することを目的とした、適切な法律が整備されることを確保するべきである。締約国はまた、このような犯罪のリスクを最小化するため、子どもたちが利用するデジタルサービスおよびデジタル製品に関して高水準のサイバーセキュリティ、プライバシー・バイ・デザインおよびセーフティ・バイ・デザインを要求することも求められる。 B.子ども司法の運営 117.子どもたちは、サイバー犯罪法に違反したとして申し立てられ。罪を問われまたは認定される可能性がある。締約国は、政策立案者が、このような法律が子どもたちに及ぼす影響を考慮し、防止に焦点を当て、かつ、刑事司法上の対応に代わる選択肢を設けかつ活用するためにあらゆる努力を払うことを確保するべきである。 118.子どもたちによる自撮りの性的表現物であって、本人の同意を得て、かつ自分たち自身の私的利用のみを目的として所持しかつ(または)シェアするものは、犯罪化されるべきではない。性的にあからさまな自撮りコンテンツに関して子どもたちが安全に助言および援助を求められるようにするための、子どもにやさしい回路が設けられるべきである。 119.締約国は、犯罪の防止、捜査および訴追において配備されているデジタルテクノロジー、監視機構(顔認証ソフトウェアなど)およびリスクプロファイリングが、刑事犯罪について容疑をかけられまたは告発されている子どもを不公正に対象とする目的で使用されず、かつその権利、とくにプライバシー、尊厳および結社の自由に対する権利を侵害するようなやり方で使用されないことを確保するべきである。 120.委員会は、裁判手続のデジタル化によって子どもとの対面での接触が行なわれなくなる場合、子どもとの関係の発展を踏まえた更生措置および修復的司法措置に悪影響が生じる可能性があることを認識する。このような場合には、また子どもが自由を奪われている場合にも、締約国は、裁判所に意味のある形で関与する子どもの能力および子どもの更生を促進するため、対面での接触を行なうようにするべきである。 C.武力紛争下の子ども、移住である子どもおよび他の脆弱な状況に置かれた子どもの保護 121.デジタル環境は、脆弱な状況下で暮らしている子どもたち(武力紛争下の子ども、国内避難民である子ども、移住者、庇護希望者および難民である子ども、保護・養育者に付き添われていない子ども、路上の状況にある子どもならびに自然災害の影響を受けている子どもを含む)に対し、その保護にとってきわめて重要な死活的情報へのアクセスを提供し得る。デジタル環境はまた、これらの子どもたちが、家族との接触を維持し、教育、保健その他の基礎的サービスにアクセスし、かつ食料および安全なシェルターを手に入れることも可能にし得る。締約国は、このような子どもたちがデジタル環境に安全に、確実に、秘密が守られかつ有益な形でアクセスできることを確保するとともに、あらゆる形態の暴力、搾取および虐待からこれらの子どもたちを保護するべきである。 122.締約国は、子どもたちがデジタル環境を通じて紛争(武力紛争を含む)で徴募されまたは使用されないことを確保するべきである。これには、たとえばソーシャルネットワーキングプラットフォームまたはオンラインゲームのチャットサービスを通じてさまざまな形態で行なわれる、テクノロジーによって容易になる子どもたちの勧誘およびグルーミング〔性的目的での勧誘〕を防止し、犯罪化しかつ制裁の対象とすることが含まれる。 XIII.国際的および地域的協力 123.国境および国家を超えるデジタル環境の性質により、国、企業その他の主体がデジタル環境との関連で子どもたちの権利を効果的に尊重し、保護しかつ充足することを確保するためには、強力な国際的および地域的協力が必要となる。したがって、締約国が、国内的および国際的非政府組織、国連機関、企業ならびにデジタル環境との関連における子どもの保護および人権を専門とする組織と個別かつ多面的に連携することは、きわめて重要である。 124.締約国は、専門的知見および優れた実践の国際的・地域的交流を促進しかつこれに貢献するとともに、デジタル環境における子どもたちの権利のすべての国による実現を可能とする能力構築、資源、基準、規則および保護措置を、国境を越えて確立しかつ促進するべきである。締約国は、デジタル環境における犯罪の共通定義の策定、共助ならびに証拠の共同収集および共有に努めるよう求められる。 XIV.普及 125.締約国は、この一般的意見が、デジタルテクノロジーも活用しながら、すべての関係者、とくに議会および政府機関(横断的および部門別デジタルトランスフォーメーションを担当する機関を含む)ならびに司法機関、企業、メディアおよび市民社会の関係者、公衆一般ならびに教育舎および子どもたちに広く普及され、かつ、複数の形式および言語(年齢にふさわしいバージョンを含む)で利用可能とされることを確保するべきである。 更新履歴:ページ作成(2021年4月28日)。
https://w.atwiki.jp/kodomonomachi/pages/27.html
みんなでつくる子ども「だがねランド」 「こどものまち●●●●●●」は、●●市で年に●回行われている「まち」を模した遊びのプログラム。●●市における子ども達のためのプログラムの一つで、●●●●支援団体や●●●●団体、●●●●等が実施主体となって●●●●達の準備により、実行されている。 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という特徴を持つ。 目次 1概要 2歴史 3仕事ブース 4大人の会議(例) 5子どもの会議(例) 6話題(例) 6.1(始まりの頃の特筆すべき点) 6.2(現在の特筆すべき点) 6.3(外部の協力者) 7参考文献 8関連項目 9外部リンク 概要 <自分たちでまちをつくる> 何もない空間から、ワークショップで「まち」を制作する。ワークショップは“だがねランド”のまちを計画する「都市計画コース」と、その計画にそって、ダンボールなどの身近な素材を使って建物を制作する「建築家コース」がある。 <つくったまちを動かし育てる> 町長や議員を中心に話し合い新たなルールを設けたり、ハローワークで働き手を募り建物を作るなど、開催期間を通じてまちを運営し育てていく。また、通貨「ダガネ」を使って手づくりの商品を売り買いするなど、まちの活動を体験する。 歴史 第1回 2006年 7月25日~9月 3日 だがねランド2006 第2回 2007年 7月24日~8月26日 だがねランド2007 第3回 2008年 7月23日~8月24日 だがねランド2008 仕事ブース 〈まちをつくる〉 ワークショップ 「都市計画コース」(上記)/ワークショップ 「建築家コース、」(上記) ※つくった建物など 商店(アクセサリー屋、ペットショップ、コンビニ、宝くじ屋、デパート、魚屋など)学校、郵便局、病院、警察、新聞社、放送局、お化け屋敷、広場(樹木・緑・花・池など含む)、川、電車など 〈まちを動かし、育てる〉 町長選挙、議会、まちの体験(商品の売り買い) 大人の会議(例) こどものまちを主催する大人による会議は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 ●●月 ●●●●●●として開催 ●●月 ●●●●●●として開催 ●●月 ●●●●●●として開催 子どもの会議(例) こどものまちの主役である子どもによる会議は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 ●●月 ●●●●●●として開催 ●●月 ●●●●●●として開催 ●●月 ●●●●●●として開催 話題 (始まりの頃の特筆すべき点) ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 (現在の特筆すべき点) ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 (外部の協力者) ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 主催団体 財団法人 名古屋都市センター 名古屋のまちづくりの方向性を示し、市民や学識者などとともにまちづくりを考えるために、1991年7月に設立。まちづくりの交流拠点として、まちづくりに関する調査・研究、情報提供・収集、人材育成・交流を行う。 事務局: 〒460-0023 名古屋市中区金山町1-1-1 金山南ビル財団法人 名古屋都市センター Tel 052-678-2200(代表) main@nui.or.jp 参考文献 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。 関連項目 ●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●。
https://w.atwiki.jp/kodomonomachi/pages/16.html
全国子どものまち一覧 ☆URLはすべて新しいウインドウで開きます。 総合ナンバー 都道府県別ナンバー 都道府県名 都市名 子どものまちの名前 URL 1 1 北海道 札幌市 ミニさっぽろ http //www.mini-sapporo.com 2 2 北海道 函館市 はこだてキッズタウン https //www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014012700146/ 3 北海道 小樽市 4 3 北海道 旭川市 あさひかわキッズタウン https //www.city.asahikawa.hokkaido.jp/kurashi/218/262/263/p004606.html 5 北海道 室蘭市 6 4 北海道 釧路市 くしろキッズタウン https //www.city.kushiro.lg.jp/kyouiku/kyouiku/seishonenikusei/page00015.html 7 5 北海道 帯広市 おびひろキッズタウン2018 https //www.city.obihiro.hokkaido.jp/kodomomiraibu/seishounenka/obihiro-kidstown.html 8 北海道 北見市 9 北海道 夕張市 10 北海道 岩見沢市 11 北海道 網走市 12 6 北海道 留萌市 キッズビジネスタウン http //www.sng.hokkaido-c.ed.jp/?action=cabinet_action_main_download block_id=12 room_id=17 cabinet_id=5 file_id=30 upload_id=64 13 7 北海道 苫小牧市 とまこまいキッズタウン http //www.city.tomakomai.hokkaido.jp/kyoiku/seishonenikusei/kids_town.html 14 北海道 稚内市 15 北海道 美唄市 16 北海道 芦別市 17 北海道 江別市 18 北海道 赤平市 19 北海道 紋別市 20 北海道 士別市 21 北海道 名寄市 22 北海道 三笠市 23 北海道 根室市 24 北海道 千歳市 25 北海道 滝川市 26 北海道 砂川市 27 北海道 歌志内市 28 北海道 深川市 29 北海道 富良野市 30 北海道 登別市 31 北海道 恵庭市 32 北海道 伊達市 33 北海道 北広島市 34 北海道 石狩市 35 北海道 北斗市 36 北海道 当別町 37 北海道 新篠津村 38 北海道 松前町 39 北海道 福島町 40 北海道 知内町 41 北海道 木古内町 42 北海道 七飯町 43 北海道 鹿部町 44 北海道 森町 45 北海道 八雲町 46 北海道 長万部町 47 北海道 江差町 48 北海道 上ノ国町 49 北海道 厚沢部町 50 北海道 乙部町 51 北海道 奥尻町 52 北海道 今金町 53 北海道 せたな町 54 北海道 島牧村 55 北海道 寿都町 56 北海道 黒松内町 57 北海道 蘭越町 58 北海道 ニセコ町 59 北海道 真狩村 60 北海道 留寿都村 61 北海道 喜茂別町 62 北海道 京極町 63 北海道 倶知安町 64 北海道 共和町 65 北海道 岩内町 66 北海道 泊村 67 北海道 神恵内村 68 北海道 積丹町 69 北海道 古平町 70 北海道 仁木町 71 北海道 余市町 72 北海道 赤井川村 73 北海道 南幌町 74 北海道 奈井江町 75 北海道 上砂川町 76 北海道 由仁町 77 北海道 長沼町 78 北海道 栗山町 79 北海道 月形町 80 北海道 浦臼町 81 北海道 新十津川町 82 北海道 妹背牛町 83 北海道 秩父別町 84 北海道 雨竜町 85 北海道 北竜町 86 北海道 沼田町 87 北海道 鷹栖町 88 北海道 東神楽町 89 北海道 当麻町 90 北海道 比布町 91 北海道 愛別町 92 北海道 上川町 93 北海道 東川町 94 北海道 美瑛町 95 北海道 上富良野町 96 北海道 中富良野町 97 北海道 南富良野町 98 北海道 占冠村 99 北海道 和寒町 100 北海道 剣淵町 101 北海道 下川町 102 北海道 美深町 103 北海道 音威子府村 104 北海道 中川町 105 北海道 幌加内町 106 北海道 増毛町 107 北海道 小平町 108 北海道 苫前町 109 北海道 羽幌町 110 北海道 初山別村 111 北海道 遠別町 112 北海道 天塩町 113 北海道 猿払村 114 北海道 浜頓別町 115 北海道 中頓別町 116 北海道 枝幸町 117 北海道 豊富町 118 北海道 礼文町 119 北海道 利尻町 120 北海道 利尻富士町 121 北海道 幌延町 122 北海道 美幌町 123 北海道 津別町 124 北海道 斜里町 125 北海道 清里町 126 北海道 小清水町 127 北海道 訓子府町 128 北海道 置戸町 129 北海道 佐呂間町 130 北海道 遠軽町 131 北海道 湧別町 132 北海道 滝上町 133 北海道 興部町 134 北海道 西興部村 135 北海道 雄武町 136 北海道 大空町 137 北海道 豊浦町 138 北海道 壮瞥町 139 北海道 白老町 140 北海道 厚真町 141 北海道 洞爺湖町 142 北海道 安平町 143 北海道 むかわ町 144 北海道 日高町 145 北海道 平取町 146 北海道 新冠町 147 北海道 浦河町 148 北海道 様似町 149 北海道 えりも町 150 北海道 新ひだか町 151 北海道 音更町 152 北海道 士幌町 153 北海道 上士幌町 154 北海道 鹿追町 155 北海道 新得町 156 北海道 清水町 157 北海道 芽室町 158 北海道 中札内村 159 北海道 更別村 160 北海道 大樹町 161 北海道 広尾町 162 北海道 幕別町 163 北海道 池田町 164 北海道 豊頃町 165 北海道 本別町 166 北海道 足寄町 167 北海道 陸別町 168 北海道 浦幌町 169 北海道 釧路町 170 北海道 厚岸町 171 北海道 浜中町 172 北海道 標茶町 173 北海道 弟子屈町 174 北海道 鶴居村 175 北海道 白糠町 176 北海道 別海町 177 北海道 中標津町 178 北海道 標津町 179 北海道 羅臼町 ☆番外編☆ 子どものまちは「売り手と買い手に分かれて物品を購入するなど、子どもの市民同士で交流がある」という特徴があります。 ここでは、職業体験に重きを置くものを紹介します。 (つくりかけです。メモ程度に。) せきっずタウン たきかわキッズタウン キッズワーク イオン余市店 ママナビキッズ職業体験 花銀こども商店街 Kids Zoo Town
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/31.html
子どもの権利委員会・一般的討議勧告:子どもの権利のための資源配分――国の責任 一般的討議勧告一覧 (第46会期、2007年10月5日採択) 原文:英語(ワード) 日本語訳:平野裕二 III.勧告 法的枠組み 22.委員会は、第4条において、条約で認められた権利を実施するために立法上の措置および他のあらゆる適当な措置をとる締約国の義務が強調されていることを想起する。子どものための資源が十分に優先されることを確保するため、一部の国は、とくに子どものためのものとして使途を指定された資源が十分に用意されるようにするため、国家予算のうち具体的に何パーセントを子どもに配分しなければならないか、国内法そのもので定めるところまで踏みこむに至った。公的機関が子どものための資源の利用について説明責任を果たすよう、子どものための予算配分について国内法に法的編入を行なうというこのアプローチを、子どもへの投資に対する各国のコミットメントを奨励すべく、委員会も支持するものである。 23.十分な法的枠組みを設けることが子どもに対する公正かつ効果的な資源配分の不可欠な前提条件であることを認め、委員会は、すべての国に対し、子どもに配分されるべき公的支出の具体的割合の法制化を検討するよう奨励する。このような立法とあわせて、子どもに関する公的支出の体系的かつ独立の評価を行なえるようにする機構も設けられるべきである。 「利用可能な資源」の概念 24.委員会は、条約が定義する子どもの権利を実施するために資源を配分するのはまずもって国の責任であることを再確認する。「利用可能な資源(手段)」には国際援助を通じて国際社会から入手する資源も含まれるが、これは国レベルで利用可能な資源を補完するべきものである。資源は、財源のみならず、経済的、社会的および文化的権利の実現に関連する他のタイプの資源(人的資源、技術的資源、組織的資源、天然資源および情報資源等)も包含するものとして理解されなければならない。資源はまた質的観点からも理解されるべきであり、量的観点からのみ理解されるべきではない。 25.委員会は、締約国に対し、子どもの権利を達成するために利用可能な経済的、人的および組織的資源ならびに子どもの権利の実施のために実際に利用されている資源を定期的に特定するとともに、利用可能な資源の評価において両者を結合させるよう奨励する。委員会はとくに、締約国に対し、子どもの経済的、社会的および文化的権利の実施に寄与する財政措置を超えて「利用可能な資源」の評価を行なうよう奨励するものである。これとの関連で、委員会は、子どもにとってもっとも重要な「利用可能な資源」に数えられる親および家族を体系的に支援することの重要性を強調する。 予算策定プロセス、社会政策および人権 26.委員会は、予算政策および金融政策を含む公共政策の究極的目的は権利の普遍的履行でなければならないこと、および、経済的成長および安定はそれ自体が目的なのではなく人間開発に向けた手段と見なされるべきであることを、強調する。委員会は、経済政策と社会政策との間でバランスを確保することがきわめて重要であると考えるとともに、社会投資は、社会サービスへのアクセスおよびその質の向上を達成することのみならず、長期的には、教育、健康および栄養への投資による人的資本の向上を通じて生産性および競争力の増進に直接的に比例することを、力をこめて強調するものである。 27.「子どもにふさわしい世界」において、各国は、国内的にも国際的にも新たな追加的資源を動員しかつ配分すること、ならびに、条約を指針としながら予算配分で子どもを優先することに対するコミットメントを再確認した。「子どもへの投資」は、公正かつ持続可能な人間開発を達成するための最善の保障として、またあらゆる政府の社会的および経済的優先順位の基本的要件として、広く受け入れられるようになった概念である。これとの関係で、委員会はまた、すべての人権は相互に依存しておりかつ不可分であること、ならびに、経済的、社会的および文化的権利の享受は市民的および政治的権利の享受と分かちがたく結びついていることも強調する。 28.委員会は、地方分権化の進行度、国および地方の計画プロセス、行政裁量ならびに市民社会の役割のような諸要素がどのような形で資源配分の大きな決定要因または影響要因になるか、ならびに、これらの配分がどのような形で実際に子どもに届き、かつその経済的、社会的および文化的権利の享受を増進させるかを、強調する。 29.委員会はさらに、よい公共財政管理システムはある国で十分な資源配分を行なうための前提であることを強調する。これとの関連で、締約国は、予算策定の方法論に関する適切なシステムおよび予算分析のための高い能力が自国の行政内に存在することを確保するべきである。 30.子どもへの投資は経済的見返りが大きいことに鑑み、かつ子どものために配分される投資その他の資源が子どもの権利を履行するための手段となることを確保するための努力の一環として、委員会は、締約国が以下のことをするよう勧告する。 (a) 利用可能な限られた資源が最大の見返りをもたらすことを確保するための手段として、予算配分において子どもを優先すること。また、子どもに配分される資源を詳細に積算することを通じ、国家予算において子どもへの投資を可視化すること。 (b) 権利を基盤とする予算のモニタリングおよび分析、ならびに、いずれかの部門への投資がどのように「子どもの最善の利益」にかなっているかに関する子ども影響評価の活用を検討すること。 (c) とくに、子どもに対応する省庁を特定し、かつ、他の省も自省の予算およびプログラムがどのように子どもの経済的、社会的および文化的権利の実現に合致しているかを実証できるようにすることにより、子どもの経済的、社会的および文化的権利に対して包括的アプローチをとること。 31.委員会はまた、経済成長を目的とした配分が社会部門支出を犠牲にして重視されないようにすることを勧告する。これとの関連で、成長目標に関するマクロ経済的枠組みは、子どもの権利条約ならびに差別の禁止、子どもの最善の利益、参加、普遍性および説明責任の原則を基盤とする人間開発枠組みと調和するものとされるべきである。この枠組みの策定においてはまた、ミレニアム開発目標(MDG)、「子どもにふさわしい世界」、権利を基盤とする貧困削減戦略書、および、条約にしたがって策定された国家的行動計画も考慮に入れることが求められる。 資源の配分・利用における透明性および説明責任 32.国家予算は政府の優先順位を反映する中心的政策文書であるから、予算がどの程度子どもの権利の実現のための手段として機能しているかは、予算がどの程度効果的かつ効率的に運営され、かつ子どものための投資を優先しているかということと密接に関係している。したがって、締約国が内部的にも外部的にも予算配分プロセスの透明性を一貫して確保することは、きわめて重要である。内部的透明性とは、歳入および歳出に関する情報が、支出に関する主要な決定がどのように子どもに影響する可能性があるかについての影響評価を実施しているすべての政府機関に利用可能とされることを含意する。外部的透明性とは、予算は市民社会を含むすべての関係者に対して公開されかつアクセス可能とされるべきであり、かつ、予算上の選択および配分に関する情報が、公衆に対し、子どもにやさしい方法により、包括的かつ理解が容易な言葉で利用可能とされるべきであることを意味するものとして理解される。 33.予算データは入手および検証が困難な可能性があり、かつ、場合によっては予算に関わる能力が貧弱なことによって、またときには汚職によって影響を受けている可能性もある。したがって、データおよび指標を正確に体系化し、かつ予算を効果的に分析することは、子どものための経済的、社会的および文化的権利の実現に向けた努力を監視するうえでとりわけ重要な要件である。 34.委員会は以下のことを勧告する。 (a) 締約国が国家予算に関する公の対話を奨励すること。予算プロセスは透明かつ参加型であるべきである。国家予算の編成および実施の指針となる基準(資源配分の指針となる優先順位を含む)についての情報は、説明責任および公の吟味を奨励するため、理解が容易な言葉で公に利用可能とすることが求められる。 (b) 資源の配分および利用に関する効果的な資源追跡システムならびに子どもに関する包括的なデータ収集システムを開発および実施すること(金融データ、および国際比較が可能でありかつ定期的審査の対象とされる共通指標も含む)。 (c) 締約国が子どものための予算策定をどの程度重視しているかについて委員会が十分に評価できるようにするため、条約に基づいて提出される締約国報告書に、さまざまな予算配分に関する分析的な統計情報を記載すること。これらの統計データにおいては、利用可能な資源および子どもへの配分率を部門別に示すことが求められる。このような情報においては、政府の他の優先課題(軍事予算の配分および軍事支出を含むが、これに限られない)に対する子どもに関する配分および支出の割合が明確に示されるべきである。 (d) とくに予算分析に関するリテラシーを促進および奨励するための努力を通じ、国レベルのあらゆる関係者が予算プロセスに関与するようにすること。 (e) 締約国、政府省庁および政府職員ならびに子どものための予算策定に関与している他の関係者の、一貫したかつ制度的な説明責任が確保されるべきであること。このような説明責任が一貫して適用されるようにするため、締約国は、非効率および資源の無駄を是正するための措置をとり、かつ公職者に対して自己の行動に関する説明責任を果たさせるための効果的機構を確立するよう、奨励される。 (f) 条約に基づく締約国報告書を委員会の前で説明する代表団に財務省の代表を含めること。 子どもその他の関係者の参加 35.委員会は、条約の他の規定の実施の不可欠な一部として条約第12条を実施する締約国の義務を再確認する。これとの関連で、委員会は、資源配分のプロセスができるかぎり参加型のものであること、および、子どもおよびその親が予算プロセスの策定、実施および監視に最初から関与することを確保することの重要性を強調するものである。委員会はまた、適切な場合には政策および予算の策定プロセスに市民社会が効果的に関与することの重要性も強調する。 36.「意見を聴かれる子どもの権利」に関する2006年9月の一般的討議に照らし、かつ、国家予算に関する透明かつ民主的な決定プロセスが経済的、社会的および文化的権利に与える肯定的影響を認め、委員会は、締約国に対し、とくに親、教員、養育者および子ども自身が予算上の決定に参加できるようにすることを通じて予算プロセスへの子ども参加を促進するよう奨励するとともに、参加型プロセスを通じて達成された結果について委員会に情報を提供するよう要請する。 37.委員会は、締約国が、第4条に関わる予算配分に関してのみならず、このような配分がどのようなプロセスを通じて行なわれたのか、および、子ども、親およびコミュニティが意思決定プロセスにどの程度関与したのかに関しても、委員会に報告するよう勧告する。報告書にはまた、子どものための国家的行動計画および子どもに関するその他の政策文書が国レベルの予算プロセスにどのように関連しているのかに関する情報も含まれているべきである。 資源の「最大限」の利用 38.委員会は、「利用可能な資源(手段)を最大限に用いることにより」が正確なところ何を意味するのか、および、それをどのように測定できるのかという問題が、締約国、子どものために活動している国際社会および委員会自身にとっての難問であることを認識する。委員会はまた、統計変数には限りがあり、かつ、人権指標ではさまざまな文脈における個々の人権の複雑性および個別性をとらえられないことも認識するものである。しかし委員会は、資源の利用における評価手段の重要性を強調するとともに、締約国が条約によって定められた子どもの権利の実施における進展を監視および評価することを援助するため、測定可能な指標を開発することの必要性を認識する。 39.委員会は、包括的かつ細分化された共通人権指標を開発するためにOHCHRが現在進めている取り組みを称賛しつつ、ユニセフに対し、子どもの権利を実施するための政策の策定、監視および評価を向上させることに関して各国を援助する目的で、子ども固有の指標を開発するよう促す。このような指標システムは、期限を定めた具体的目標(ミレニアム開発目標のような国際的に承認されたものを含む)とあいまって、人権にかかわる課題を明らかにするうえで役に立ち、かつ子どもの権利の実現における進展または後退の評価を可能とするであろう。 子どものための資源の配分・利用における優先順位 40.委員会は、条約に掲げられた差別の禁止の原則により、条約で保障されたすべての権利がすべての子どもに対して認められるべきであることが要求されていることを想起する。これとの関連で、委員会は、締約国が条約に基づいて受け入れた義務をいかなる意味でもないがしろにしまたは減殺することなく、周縁化された集団および不利な立場に置かれた集団の子どもを特定しかつ優先する必要があることを認識するものである。 41.委員会は、締約国が、それぞれの国内的文脈のなかで子どもの権利の実施を優先させるための努力を進めていくにあたり、資源配分に関して条約の4つの一般原則を指針とする国家的優先順位を定めることを検討するよう勧告する。このような優先順位は、もっとも周縁化された集団および不利な立場に置かれた集団の子どもに特別な注意を払いながら、権利基盤アプローチを用いて定められるべきである。 42.国は、子どもに関する国家的優先順位が、実際に効果を発揮するようにすべく、定期的に独立の立場から監視されうることを確保するべきである。議会審査の文脈でこのような監視を行なうことも可能であろうが、委員会は、国が、子どもが実施にどの程度権利を享受しているかとの関連で国家的優先順位の外部的審査を行なえるようにする監視機構を設置し、かつこれに勧告権限を与えるよう強く勧告する。国家的優先順位の審査の結果は、委員会に対する定期報告書に記載されるべきである。 子どもの経済的・社会的・文化的権利の裁判適用可能性 43.立法(前掲パラ22および23参照)に加え、国は、経済的、社会的および文化的権利を含むあらゆる人権に関して司法的救済が利用できることを確保することも要求されている。委員会は、条約で定められた経済的、社会的および文化的権利の多くが、法的に執行可能な権利としてすでに広く受け入れられていることに留意する。たとえば、無償のかつ義務的な初等教育は多くの国の国内法および実行に反映されている権利のひとつである。しかし、子どもの全面的発達およびウェルビーイングにとって根本的重要性を有する経済的、社会的および文化的権利の多くを、裁判所で適用可能なものとしてまだ認めていない国も多い。委員会は、条約で掲げられた子どもの経済的、社会的および文化的権利に全面的効果を与えるために、これらの権利が国内的かつ実際的に裁判適用可能なものとされなければならないことを認識する。 44.委員会は、締約国が、子どもの経済的、社会的および文化的権利の全面的実現を確保するため、国内の裁判機関がこれらの権利に全面的な裁判適用可能性を与えられることを確保するよう勧告する。 45.締約国は、司法手続が子どもに配慮しかつ子どもにやさしいものであること、および、適切な場合にはとくに子どもオンブズパーソンまたは国家人権委員会を通じ、アクセスしやすくかつ独立の立場からの法的助言を子どもおよびその代理人が利用できることを、確保するべきである。 漸進的実現 46.経済的、社会的および文化的権利の「漸進的実現」の問題に関して、委員会は、漸進的実現の原則がしばしば、これらの権利は即時適用されるものではなく希望的性質のものにすぎないことを意味するものとして誤解および解釈されていることに留意する。 47.委員会は、漸進的実現が、条約締約国に対し、子どもの経済的、社会的および文化的権利の全面的実現に向けて可能なかぎり迅速にかつ効果的に進んでいくために的を絞った措置をとる即時的義務を課すものとして理解されるべきであることを勧告する。委員会はとくに、利用可能な資源の水準に関わらず即時的実施が要求される義務、すなわちこれらの権利の享受において差別されないことを保障する義務およびこれらの権利の実施に向けて即時的措置をとる義務があることを強調するものである。また、経済的、社会的および文化的権利の享受を阻害する可能性があるいかなる後退的措置もとらない義務も、これらの権利の漸進的実現に向けた義務に内在すると考えられる。 48.漸進的実現の概念に並行して存在するのが、国の「最低限の中核的義務」という考え方である。中核的義務とは、少なくとも人が尊厳をもって生活できる最低条件を確保することを意図している。経済的、社会的および文化的権利に関する委員会(CESCR)はこの義務、すなわち不可欠な食料、プライマリーヘルスケアへの平等なアクセス、基礎的な居住場所および住居、社会保障または社会扶助の適用、家族の保護ならびに基礎教育の提供に関して最低水準の保護(最低限の中核的内容)をいかなるときでも保障する国の義務を系統だった形で強調してきた。すべての国は、その発展水準に関わらず、これらの義務を実施するために優先事項として即時的措置をとるよう要求される。利用可能な資源が目に見えて不十分である場合でも、当該国はなお、自国で支配的な状況下において関連する権利が可能なかぎり広く享受されることを確保するために尽力することを要求される。このように、権利の中核に関わる義務の遵守は資源の利用可能性に依存するものとして理解されるべきではない。 49.委員会は、締約国は少なくとも経済的、社会的および文化的権利の最低限の中核的内容を充足させる義務を負うと考えるとともに、締約国が、子どもの経済的、社会的および文化的権利を保護、尊重および充足するためにとった措置が「十分」であるかどうかの自己評価を行なうにあたり、経済的、社会的および文化的権利に関する委員会が「利用可能な資源の最大限の利用」に関する声明で定めた基準を綿密に検討し、かつ子どもとの関連でこれを適用するよう勧告する。 国際協力の役割 50.委員会は、第4条における国際協力への言及が国際開発援助、とくに第4条で述べられている権利の実現のための援助を行なう締約国の法的義務まで課すものかどうかについて、多様な意見が存在することに留意する。 51.委員会は、子どもの権利については先進国および開発途上国が責任を共有していると信じるものである。締約国は、例外なくすべての国の子どもの経済的、社会的および文化的権利を尊重および保護しなければならず、かつ――協力を行なう立場にあるときは常に――開発協力を通じてこれらの権利を充足するためにあらゆる可能な措置をとらなければならない。同時に、資源面で深刻な制約を有している国には、国際的な協力および援助を求める責任がある。このように、外部からの支援に依存しているというだけで不作為を正当化することはできないのであって、このような国は少なくとも、自国で支配的な状況下において関連する権利が可能なかぎり広く享受されることを(とくに社会でもっとも不利な立場に置かれたおよび周縁化された構成員または集団を対象として)確保するため、能力の及ぶかぎりであらゆる可能な努力を行なったことを実証する責任を負わなければならない。 52.委員会は、「条約の実施に関する一般的措置」についての一般的意見5号(2003年)[4] で述べた見解を想起および補強し、以下のことを勧告する。 (a) 締約国は、国際的に合意された目標(国内総生産の0.7%を国際開発援助に充てるという国連の目標を含む)を達成するとともに、開発途上国およびドナー諸国の共通の責任として、すべての人が最高度の質の基礎的社会サービスに持続可能な形でアクセスできることを達成する目的で、20/20イニシアチブの目標を追求するためにあらゆる可能な措置をとること。 (b) ドナーである締約国は、子どもに直接間接に関わる国際開発援助の枠組みとして条約を考慮すること。ドナー諸国のプログラムは権利を基盤としたものであるべきであり、かつ、国際支援の一定割合は子どもの権利の実施のために用いるよう使途指定が行なわれるべきである。これとの関連で、委員会は、締約国が行なう二国間および多国間の開発協力で対象とされているすべての部門で子どもの権利が尊重および保護されることを確保すべく、条約の原則および精神にしたがって国際的な援助および協力に関する立法が制定されることを歓迎および奨励する。 (c) 国際援助を受領している締約国は、優先課題として、その十分な部分をとくに子どもに対して配分すること。 (d) 国際金融機関は、恒常的かつ組織的に、その国際支援の一定割合を子どもの権利の実施のために用いるよう使途指定を行ない、かつコンディショナリティーを含むその活動が子どもの権利に与える影響を評価すること。また、その政策の策定および実施において子どもの最善の利益が第一義的に考慮されるようにすること。 (e) 国際金融機関その他の国際政府間機関ならびに非政府組織は、国家予算において子どもの権利を基盤とする予算策定を実施する受領国政府の能力を増進させ、かつ援助が効果的に調整されることを確保するため、受領国政府と協働するべきであること。 (f) 二国間および多国間の国際援助には、子どもならびに他の周縁化されたおよび不利な立場に置かれた集団の権利に否定的または有害な影響を及ぼす可能性のあるいかなる条件も付されるべきでないこと。 [4] 一般的意見5号(2003年、CRC/GC/2003/5)、パラ61-64。 委員会がフォローアップすべき勧告 53.委員会は、条約に基づく義務の実施についての報告に関して締約国を援助する目的で報告ガイドラインを発展させるため、継続的に尽力することの重要性を認識する。 54.委員会は、このイベント中に議論された問題に関わる条約第4条の実施に関連した問題について一般的意見を作成する可能性を追求する。 更新履歴:ページ作成(2011年6月11日)。
https://w.atwiki.jp/harugasshuku/pages/10.html
@wikiにはいくつかの便利なプラグインがあります。 編集履歴 これ以外のプラグインについては@wikiガイドをご覧ください = http //atwiki.jp/guide/
https://w.atwiki.jp/kodomoteate/pages/1813.html
※予告なく内容に変更が生じる場合があります。あらかじめご了承ください※ 子ども手当は世紀の悪法です。 今年度だけでも2兆3千億の予算が必要とされており、 その財源もまったくめどが立たないまま施行されました。 外国に居住する外国籍の子どもの分を考えると、 それ以上の予算が必要なことは明確です。 さらに、来年度からは倍額での支給が予定されています。 いくら上乗せ分を地方自治体で割り振り可能としても、 国が借金してまで支給するものを、 その場しのぎの判断で決められては困ります! おかしなことには 行動で示さなければいけません。 今こそ、わたしたち国民が声をあげる時です! ▼告知用ビラ▼ ■□運営指定プラカードはこちら□■ 日時:7月10日(土) ※雨天決行予定 13 00 渋谷区立神宮通公園 集合 13 30 出発 14 30 代々木公園 流れ解散 より大きな地図で 第5回 子ども手当再審義要求デモ@東京 を表示 ◆デモ参加条件◆ 各政党に所属していないこと政党や立候補者のお手伝い(スタッフ/サポーター)程度ならば問題ありません。 政党に関連する会社に勤務していないこと 勿論ですが、政治家の方の参加はできません 特定の政党、人物、団体への誹謗・中傷はご遠慮くださいプラカードの内容も気をつけてください※当日内容を確認してお断りする可能性があります 注意事項 ノボリ、横断幕、拡声器は運営が準備いたします プラカードについては各自で作成して頂いた物をお持ち下さい。より一般市民が参加しやすいデモを目指すため、国旗の持ち込みはご遠慮いただいております。 HPにある運営指定のプラカードを参考にしてください。 子ども手当に関連する内容に限定してください。 当日は普段着でお越し下さい。特攻服や着ぐるみ等でのご参加はご遠慮ください。 外部からの挑発があっても決してのらず、安全なデモを心がけましょう。 当日は撮影が入ります。必要に応じてマスク、サングラスなどをご用意ください。 体調が悪い場合はすぐにお近くのスタッフに申し出てください。※途中で隊列から離れることも可能です 炎天下でのデモ行進の場合、熱中症などが心配されます。日傘/帽子や飲み物の準備を各自で十分に行ってください 上記注意事項を守れない場合、やむをえず退場していただく場合がございます。 ご了承ください。 =============================================================== ■□重要事項□■ このデモの趣旨 今回のデモは、子ども手当法に関する問題点を一般の方に提起するデモです。 参加者の皆さんには、この点を理解したうえでの行動をお願いいたします。 一般の方が目をそむけるようなものでは意味がありません。 上記注意事項を守り、安全なデモを心がけましょう。 =============================================================== 主催:子ども手当再審議要求デモ実行委員会 お問い合わせ:050-5534-9192 ※メールフォームもご活用ください ※時間帯によっては留守番電話となりますが、 ※折り返しご連絡させていただきます。 ◆◇デモサポーター募集◇◆ 今回のデモのお手伝い(スタッフ/サポーター含む)をしていただける方を募集しております。 参加者の誘導や参加受付、デモの隊列整理などです。 サポーターの方には、当日開始時刻の一時間前に集合していただき、 作業の説明・分担などをおこないます。 あらかじめ参加者の数を把握するため、以下のいずれかで参加表明をお願いいたします。 選択肢 投票 スタッフとして参加します (12) デモ行進に参加します (5) 参加できると思います (4) 今回は応援で協力します (5) "上記注意事項を守れない場合、やむをえず退場していただく場合がございます。 ご了承ください。 " ←偉そう -- (曽我) 2010-07-01 18 14 20 参加します。政治に多くの関心がある中のデモなので楽しみです。 -- (ぎゅどん) 2010-07-03 01 21 53 決戦前日、イブの戦いです。お手伝いで参加します。 -- (うり坊) 2010-07-04 03 24 08 参加します -- (つな) 2010-07-04 07 50 17 子供を持つ母親として、受け取り拒否したバラ撒きなので参加したいです。 -- (名無しさん) 2010-07-04 08 57 50 大変申し訳ございませんが、外せない用事が出来てしまいました。今回は応援とさせて下さい。 -- (seahorse) 2010-07-05 23 47 11 参加します -- (シマ) 2010-07-06 12 04 51 こっちに書くの忘れてた・・・ 参加しますよー -- (竜胆) 2010-07-06 22 01 04 参加します。初めてでも可能ならば、スタッフとしても。 -- (ななこ) 2010-07-06 22 27 13 参加します -- (タツ) 2010-07-07 01 09 29 今回はきっと参加できないかも…それなんで応援します! -- (こけん) 2010-07-09 02 11 40 決戦前日いま行かなくていつ行く。地方住みですが行きます! -- (名無しさん) 2010-07-09 11 04 46 行けませんが、応援しています -- (チョス) 2010-07-09 23 31 05 スタッフで参加します -- (kura) 2010-07-10 08 57 33 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/r-intro/pages/39.html
目次 目次 コレスキー分解を行う(p.81) コレスキー分解を行う(p.81) 以下は、式(4.115)に基に作成したコレスキー分解を行う関数。行列 B を上三角行列 L の転置行列と上三角行列の積に分解している。細かなチェックは行っていないので注意。 B = R^T R choldecomp - function(mxbb) { m - ncol(mxbb) mxrr - matrix(0., m, m) mxrr[1, 1] - sqrt(mxbb[1, 1]) for (j in 2 m) { mxrr[1, j] - mxbb[1, j] / mxrr[1, 1] } for (i in 2 m) { k - 1 (i - 1) mxrr[i, i] - sqrt(mxbb[i, i] - sum(mxrr[1 (i - 1), i] ^ 2)) for (j in i m) { mxrr[i, j] - (mxbb[i, j] - sum(mxrr[k, i] * mxrr[k, j])) / mxrr[i, i] } } return(mxrr) } 以下、動作確認。 d - c(1, 1, 1, 1, 1, 2, 3, 4, 1, 3, 6, 10, 1, 4, 10, 20) mxbb - matrix(d, 4, 4, byrow = TRUE) mxrr - choldecomp(mxbb) cat("B\n") B print(mxbb) [,1] [,2] [,3] [,4] [1,] 1 1 1 1 [2,] 1 2 3 4 [3,] 1 3 6 10 [4,] 1 4 10 20 cat("R^T\n") R^T print(t(mxrr)) [,1] [,2] [,3] [,4] [1,] 1 0 0 0 [2,] 1 1 0 0 [3,] 1 2 1 0 [4,] 1 3 3 1 cat("R\n") R print(mxrr) [,1] [,2] [,3] [,4] [1,] 1 1 1 1 [2,] 0 1 2 3 [3,] 0 0 1 3 [4,] 0 0 0 1 cat("R^T T\n") R^T T print(t(mxrr) %*% mxrr) [,1] [,2] [,3] [,4] [1,] 1 1 1 1 [2,] 1 2 3 4 [3,] 1 3 6 10 [4,] 1 4 10 20 Rへの組み込み関数cholでも計算してみる。上の結果(mxrr, R)と一致していることがわかる。 base chol(mxbb) [,1] [,2] [,3] [,4] [1,] 1 1 1 1 [2,] 0 1 2 3 [3,] 0 0 1 3 [4,] 0 0 0 1 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/harugasshuku/
@wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 編集モード・構文一覧表 @wikiの設定・管理 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 @wiki更新情報 @wikiへのお問合せフォーム 等をご活用ください アットウィキモードでの編集方法 文字入力 画像入力 表組み ワープロモードでの編集方法 文字入力 画像入力 表組み その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン一覧 @wikiかんたんプラグイン入力サポート まとめサイト作成支援ツール その他お勧めサービスについて 2ch型の無料掲示板は@chsをご利用ください フォーラム型の無料掲示板は@bbをご利用ください その他の無料掲示板は@bbsをご利用ください バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、お問合せフォームからご連絡ください。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/258.html
国連・表現の自由に関する特別報告者(Frank La Rue氏)による報告書:表現の自由に対する子どもの権利 意見および表現の自由に対する権利の促進および保護に関する特別報告者の報告書 A/69/335(2014年8月21日) 配布:一般 原文:英語 日本語訳:平野裕二〔日本語訳PDF〕 目次 I.はじめに II.特別報告者の活動 III.表現の自由に対する子どもの権利A.国際人権法上の表現の自由に対する権利 B.第13条:表現の自由に対する子どもの権利 C.第12条:自己の意見を自由に表明し、かつその意見を正当に重視される子どもたちの権利 D.第17条:情報にアクセスする子どもの権利 IV.表現の自由に対する子どもの権利の制限 V.表現の自由に対する比例性を欠いた制限の正当化事由として利用される子どもの保護 VI.子どもの表現の自由の促進A.団体を作り、かつ政治に参加する子どもたちの自由の奨励 B.子ども主導型アドボカシーの奨励 C.さまざまな情報源からの情報へのアクセスの確保 D.メディアの自主規制の促進 VII.子どもたちによるインターネットへのアクセスA.比例性を欠いた制限が採用されることについての懸念 B.インターネットの利用に関する子どもたちのエンパワーメント C.調査研究の拡大 VIII.結論および勧告 I.はじめに 1.特別報告者は、人権理事会決議25/2にしたがって提出される本報告書において、表現の自由に対する子どもの権利に焦点を当てる。 2.子どもの権利条約では、子どもを権利の全面的主体として認識することが強調されている。条約にしたがい、子どもが未成熟であることを、子どもから権利を剥奪して当該権利を成人のみが享有するようにすることの正当化事由として利用することは受け入れられない。子どもは、ミニチュアサイズの人権を認められたミニチュアサイズの人間ではないのである。それどころか、条約は子どもの市民的および政治的権利の保護を拡大するとともに、すべての子どもがその人格を可能なかぎり最大限に発達させることを確保するための具体的措置をいくつか掲げている。また、条約にしたがい、表現の自由に対する権利は子どもの成熟にともなって漸進的に行使されるべきである。 3.子どもを害から保護することおよびおとなが子どもを指導する義務の重要性について疑義を唱える者は誰もいない。しかしながら、年齢が低いことおよび相対的に未成熟であることの結果として子どもが直面する可能性のあるリスクが過剰に言いたてられ、表現の自由に対するおとなおよび子ども双方の権利を不当に制限することの弁明として利用されることがあまりにも多すぎる。このような不当な制限は、何が有害情報であるかについての定義の曖昧さおよび幅広さから生じることもあれば、単に学校、家庭および社会一般における権威主義的態度が暗黙のうちに受け入れられていることによって固定化されることもある。 4.インターネットが開発と人権を促進するための不可欠な手段として広く認められるのであれば、インターネットが子どもにとって不可欠な手段であることも理の当然である。しかし、暴力または虐待の目的でこれらの手段を利用することについての懸念が生じている。デジタル・コミュニケーションの利用を広範に制限することおよび検閲を行なうことは、単に受け入れられないのみならず、これらの懸念の解決策としても実効性を持たない。人権規範が求めているのは、コミュニケーションに対する制限が必要性および比例性の厳格な基準に一致する形で行なわれる、バランスのとれたアプローチである。 5.特別報告者は、本報告書で、表現の自由に対する子どもの権利が国際人権条約でどのように規定されているか、子どもの権利条約にとくに注意を払いながら明らかにする。続いて、この権利の実現を妨げている重要な障壁(表現の自由および情報へのアクセスに対する子どもの権利の直接の制限、ならびに、表向きは子どもの保護を目的としているものの実質的に表現の自由に対するおとなの権利も制限している全般的制限を含む)について詳述する。また、表現の自由に対する子どもの権利の保護および促進に関わる若干の経験についても述べる。インターネットが現代社会に与えている未曾有の影響に鑑み、特別報告者は、子どもの権利の促進にとっての新たなテクノロジーの重要性と、この分野で浮かび上がりつつあるいくつかの具体的懸念についても取り上げる。最後に、国際人権法が定める関連の基準に国内法および国内実務を適合させることに関する勧告を行なう。 II.特別報告者の活動 6.(略) 7.(略) 8.本報告書の作成にあたり、特別報告者は、表現の自由に対する子どもの権利に関する関連の研究の検討および専門家との協議を行なった。また、Child Rights International Networkが蓄積した情報も活用している。加えて、特別報告者は、リオデジャネイロ(ブラジル)、フィレンツェ(イタリア)、メキシコシティおよびヨハネスブルグ(南アフリカ)でこの問題に関する専門家協議を開催した。 III.表現の自由に対する子どもの権利 A.国際人権法上の表現の自由に対する権利 9.表現の自由は、市民的および政治的権利に関するすべての国際・地域人権文書に掲げられている [1]。市民的および政治的権利に関する国際規約第19条では、表現の自由に対するすべての者の権利(国境にかかわりなく、あらゆる種類の情報および考えを求め、受けかつ伝える権利を含む)が承認されている。同条に基づき、あらゆる形態の表現およびその普及手段が保護の対象となる(第2項参照)。この権利には、規約第19条第3項および第20条に掲げられた制限に服することを条件として、他者に伝達しうるあらゆる種類の考えおよび意見の通信を行ないかつ受けることも含まれる。 [1] 世界人権宣言第19条、市民的および政治的権利に関する国際規約第19条、欧州人権条約第10条、米州人権条約第13条および人および人民の権利に関するアフリカ憲章第9条参照。 10.子どもも規約に定められたすべての市民的権利から個人として利益を得る [2] にもかかわらず、従来、表現の自由に対する権利は子どもたちと関連づけられてこなかった。ジュネーブ子どもの権利宣言(1924年)および〔国連・〕子どもの権利宣言(総会決議1386 (XIV))など、子どもについて取り上げた従前の国際文書では、子どもは未成熟さゆえに意味のある選択を行なうことはできないという憶測に基づき、この権利に関するいかなる言及もなかった。子どもの権利条約は、子どもの権利および固有の尊厳の保護における分水嶺である。従前の国際法文書とは異なり、条約は、子どもに対するおとなの義務を基盤とするアプローチ(子どもの権利宣言参照)から権利の保有者としての子どもに焦点を当てるアプローチへの、重点の劇的な転換を促している。 [2] Official Records of the General Assembly, Forty-fourth Session, Supplement No. 40 (A/44/40), annex VI, para. 2. B.第13条:表現の自由に対する子どもの権利 11.子どもの権利条約は、表現の自由に対する子どもの権利を宣明した最初の国際法文書である [3]。第13条の文言は、市民的および政治的権利に関する国際規約第19条第2項および第3項の文言を緊密になぞっている。一部の論者によれば、第13条は規約第19条の規定を、子どもに適用するための試みをほとんど行なうことなく「剽窃」したものにすぎないため、それ自体ではほとんど価値がない [4]。しかし、意見を聴かれる権利および情報にアクセスする権利を保護する条約第12条および第17条に掲げられた規定とあわせて読めば、第13条は、表現の自由に対する子どもの権利について、規約第19条による保護よりも優れているとまではいかなくとも、同等の水準の保護を与えているということができる。 [3] 子どもの権利および福祉に関するアフリカ憲章(1999年発効)第7条も参照。 [4] Sylvie Langlaude, "On how to build a positive understanding of the child s right to freedom of expression", Human Rights Law Review, vol. 10, No. 1 (2010), pp. 33-66. 12.第13条では子どもの発達しつつある能力について言及されておらず、また表現の自由に対する権利を行使するための最低年齢もしくは一定の成熟度も定められていない。この意味で、表現の自由には発達の側面があると捉えられてきた。表現の自由の目的は、子どもたちが、社会において他者とともに精神および自分自身を発達させ、かつ公的生活に参加する市民へと成長していけるようにするところにあるからである [5]。子どもの表現の自由は、子どもが自律的に意見を表明する能力を身につけたときまたは子どもがティーンエイジャーになったときから始まるのではないし、そのようなことはありえない。子どもが、事前に機会を与えられることもなく発達し、18歳という魔法の年齢に達した途端に自律的な存在として社会に参加するようになるなどと期待することはできないのである [4]。 [5] Herdis Thorgeirsdottir, A Commentary on the United Nations Convention on the Rights of the Child Article 13 - The Right to Freedom of Expression (Martinus Nijhoff Publishers, 2006). 13.とはいえ、子どもはおとなではなく、子どもが発達しつつある能力を有しているという事実を回避することもできない。子どもの権利条約第5条に掲げられたこの原則は、単純に、子どもの「子どもらしさ」を考慮する必要性と、子どもの発達および権利行使のあり方はおとなのそれとは異なるという事実を反映したものにすぎない。条約第5条に基づいて親および子どもに責任を負う他の者に付与されている役割が示唆するのは、子どもが表現の自由に対する権利を享有する度合いは、実際上、子どもに特化したものではない国際人権文書において同様の文言で表されている権利をおとなが享有する度合いほど幅広くはないということである [6]。表現の自由に対する権利の行使は子どもの成熟とともに拡大する一方、第5条に基づいて親が行なう適切な指示および指導はそれにしたがって後退していく [4]。 [6] Aoife Nolan, Human Rights Law in Perspective Children s Socio-Economic Rights, Democracy and the Courts (Oxford, Hart Publishing, 2011). 14.条約第13条の文言は全体として規約第19条の文言をなぞっているが、一部の規定は省略されている。第一に、第13条には、干渉されることなく意見を持つ権利(規約第19条第1項)が含まれていない。ただしこの権利は、第13条第1項に黙示的に含まれているか、または条約第12条もしくは第14条に包含されていると推論することもできよう [7]。第2に、第13条には規約第19条第3項の第1文(「2の権利の行使には、特別の義務および責任をともなう」)が含まれていない。現代的表現媒体の強力な影響力ゆえに規約に導入されたこの1文を含めることは、子どもの表現の自由との関連では必要ないと判断されたものと思われる [7]。 [7] Sharon Detrick, A Commentary on the United Nations Convention on the Rights of the Child (Martinus Nijhoff Publishers, 1999). 15.表現の自由に対する権利の適用範囲はかなり広い。子どもの権利委員会によれば、条約第13条は、国家に対して行使できるだけではなく、家庭、コミュニティ、学校、公共政策の決定および社会においても行使できる権利を付与するものである [4]。 16.とくに、家庭は、表現の自由に対する子どもの権利の実現におけるもっとも重要な柱のひとつと考えられている。親が子どもの養育および発達について第一次的責任を負っており、かつ子どもの最善の利益を基本的関心事としていることは、広く認められているところである。委員会は、家庭の構造を、子どもが自由な意見表明を学び、それによって社会に参加するために必要なスキルを身につけられるような参加型のものにすることを奨励している。家族構成員の義務には、子どもの意見を聴き、かつそれを真剣に受けとめる義務や、条約上の権利の実現について子どもを支援する義務が含まれる(CRC/C/43/3, paras. 999-1,002〔訳者注/「意見を聴かれる子どもの権利」に関する委員会の一般的討議の勧告、パラ16-19〕参照)。 情報を求める権利 17.情報を求める権利(子どもの権利条約第13条第1項)は、情報、とくに公的機関が保有する情報にアクセスする権利としばしば関連づけられてきた。この権利は、子どもが国内外の多様な情報源からの情報および資料にアクセスできるようにすることを目指す、条約第17条の規定とも密接に関連している。 18.情報を求めることおよび情報にアクセスすることは、子どもの発達にとって必要不可欠であるとともに、社会生活への参加に欠かせない前提条件である。したがって、子どもの権利委員会はこの権利を、公的機関が保有する情報にアクセスできるようにする積極的義務を国に課すものと解釈してきた。自由権規約委員会の見解によれば、この権利を実効あらしめるために、国は、公益に関わる情報に容易に、迅速に、効果的かつ実際的にアクセスできることを確保するためにあらゆる努力を行ない、かつ、ある者が(情報の自由法などの手段により)情報にアクセスできる必要な手続を制定するべきである(CCPR/C/GC/34、パラ19参照)。 情報を受ける権利 19.子どもは、あらゆる種類の情報および考えを受ける権利も有している。子どもの権利委員会がその総括所見および勧告でこの規定に言及することは多くない。打ち立てられつつある原則は、子どもを異なる文化に親しませるための措置がとられなければならないこと、メディアは子どもが他の文明について学ぶのを援助しなければならないこと、および、すべての子どもを対象とした児童文学の刊行、普及および提供を奨励するための措置がとられるべきであることぐらいである [4]。 20.情報を受ける権利は、教育に対する子どもの権利を締約国が承認した第28条、および、子どもの教育においてはとくに子どもの人格、才能ならびに精神的および身体的能力を最大限可能なまで発達させることを目指すものとすると強調されている第29条と、密接に関連している。 情報を伝える権利 21.最後に、子どもは他者に情報を伝える権利を有する。情報を受ける権利の場合と同様、子どもの権利委員会の先例にはこの権利への言及がほとんど見られない。委員会は、たとえば、子どもには子どもの雑誌、テレビその他のメディアに寄与する権利、学校の内外で政治的活動に従事する権利およびインターネット上のチャットルームを開設する権利があると述べている [4]。 許容される制限 22.子どもの権利条約第13条第2項では、表現の自由に対する権利の行使には一定の制限を課することができると明示的に規定し、当該制限を掲げている。子どもの権利委員会は、この権利に対する制限として許容されるものについての包括的先例を発展させていない [4]。ただし、規約第19条第3項の解釈および適用について自由権規約委員会が行なった分析は、表現の自由に対する子どもの権利についても必要な修正を加えて当てはめることができる(CCPR/C/GC/34、パラ21参照)。 23.第1に、制限は公衆がアクセスできる法律によって定められ、かつ、個人が自己の行動をしかるべく規制できるよう十分に精確に定式化されていなければならない。第2に、制限は、第13条第2項(a)および(b)に掲げられた事由、すなわち他の者の権利または名誉の尊重および国の安全、公の秩序または公衆の健康もしくは道徳の保護に基づいてのみ課すことができる [8]。第3に、制限は必要性および比例性の厳格な基準に一致するものでなければならない。 [8] 子どもの権利条約の起草過程においては、制限の正当化事由に追加する形で「子どもの霊的および道徳的福祉」への言及を含めるという提案が、そのような制限を子どもにのみ課すのは不公正となること、および、その問題は情報へのアクセスに関する第17条ですでに扱われていることを理由に却下されている。Sharon Detrick, A Commentary on the United Nations Convention on the Rights of the Child参照。 C.第12条:自己の意見を自由に表明し、かつその意見を正当に重視される子どもたちの権利 24.子どもの権利条約第12条は、国際人権法において他に例を見ない規定である。これは子どもだけが有する権利であって、おとなが有する権利ではない。子どもは、市民的および政治的権利に関する国際規約に明示的に掲げられた、自己に関わるあらゆる状況について意見を表明する一般的権利を有していないためである [4]。子どもの意見に常に耳が傾けられるわけではないという事実が、意見を聴かれる一般的権利を条約に含めることの正当な理由となる。第12条の目的は、おとなが有する全面的自律権を有しない一方で権利の主体でもある子どもの法的・社会的地位に対応するところにある(CRC/C/GC/12、パラ1参照)。 25.同条第1項は、自己の意見をまとめる力のある子どもに対し、自己に影響を与えるすべての事柄に関して自由に意見を表明する権利と、その後、その子どもの年齢および成熟度にしたがって当該意見を正当に重視される権利を付与している。第2項は、自己に影響を与えるいかなる司法的および行政的手続においても意見を聴かれる子どもの権利を定めている。 26.意見を聴かれ、かつ真剣に受けとめられるすべての子どもの権利は、条約の基本的価値観のひとつを構成するものである。子どもの権利委員会は、第12条を条約の4つの一般原則のひとつに位置づけてきた。これは、同条はそれ自体でひとつの権利を定めているというのみならず、他のあらゆる権利の解釈および実施においても考慮されるべきであることを強調するものである(CRC/C/GC/12、パラ2参照)。 27.第12条にしたがい、締約国は、当該権利を自国の法体系において承認する義務、子どもに影響を与えるすべての行動および意思決定プロセスへの子どもの積極的関与を容易にするために適切な機構を整備する義務、および、表明されたこれらの意見を正当に重視する義務を履行する義務を負う。子どもの権利委員会は、子どもの意見に耳を傾けているように見せることは相対的に難しくないものの、子どもの意見を正当に重視するためには真の挑戦が必要であると指摘してきた。委員会によれば、子どもの意見に耳を傾けることは、それ自体が目的とされるべきではなく、むしろ、国が、子どもたちとの交流および子どもたちのための行動において、子どもの権利の実施にこれまで以上の配慮を払うようにするための手段として見なされなければならない(CRC/GC/2003/5参照〔パラ12〕)。 28.表現の自由に対する権利は、第12条に掲げられた、意見を聴かれる権利と混同されることが多い。子どもの権利委員会は、どちらの条文も強く関連し合っているとはいえ、これらの条項は異なる権利を定めたものであって混同されるべきではないと考えている。第12条は、子どもに影響を与える事柄について具体的に意見を表明する権利、および、子どもの生活に影響を及ぼす行動および決定に関与する権利に関連している。この規定が、締約国に対し、子どもに影響を与えるあらゆる行動および意思決定への子どもの積極的参加を容易にし、かつ表明されたこれらの意見を正当に重視する義務を履行するために必要な法的枠組みおよび機構を導入する義務を課している一方、表現の自由は、締約国によるこのような関与または反応を要求するものではない。ただし委員会は、子どもの自由な意見表明を可能とする環境をつくり出すことは表現の自由に対する権利を行使する子どもの能力の構築にも寄与すると考えている(CRC/C/GC/12、パラ81参照)。 29.表現の自由との関連で第12条が有するもうひとつの興味深い側面は、参加が重視されていることである。この文言は同条では用いられていないものの、子どもの権利委員会は、さまざまな機会に、子どもは社会に参加することによって意見を聴かれ、公共の問題に関する見聞を広め、かつ自国の生活において役割を果たせるようになると指摘してきた(たとえばCRC/C/SR.379、パラ55参照)。参加は、家庭、学校および社会一般において奨励されるべきであり、政治的、社会的、経済的および文化的生活に関わるものであるべきであり、かつ、既存の諸制度を通じておよび子どもに特化した機関の創設を通じて行なわれるべきである。子どもの参加権を奨励することの理論的根拠は、子どもの発達を促進するところにある。子どもが学校およびコミュニティの生活に参加する経験を持たなければ、長じて社会の全面的構成員になることは期待できないからである(たとえばCRC/C/SR.277、パラ50参照)。 D.第17条:情報にアクセスする子どもの権利 30.子どもの権利条約第17条は、情報にアクセスする子どもの権利を扱うとともに、そのような情報の提供をマスメディアに対して奨励する際の国の役割について取り上げている。この規定の目的は、子どもが国内外の多様な情報源からの情報および資料(とくに自己の福祉および健康の促進を目的とするもの)にアクセスできるようにすることである。同条は、マスメディアが果たす重要な機能も認めるとともに、第17条に基づく子どもの権利を実施するために締約国がとる必要のある多くの措置を列挙している。これらの権利には、とくに書籍、雑誌、新聞、テレビ、ラジオ番組および図書館を通じて情報を求めかつ情報にアクセスする積極的権利も含まれる。 31.締約国は、第17条(e)に基づき、子どもの福祉に有害な情報および資料から子どもを保護するための適切な指針を発展させるよう求められている。したがって、子どもは成熟にともなってますます広範囲の資料へのアクセスを認められるべきであるが、その発達しつつある能力次第で、発達にとって有害となる可能性がある資料から保護されるべきでもある。委員会の先例では、「有害な資料」の包括的定義は示されておらず、暴力的、人種主義的またはポルノグラフィー的資料への一般的言及が見られる程度である。 32.この権利は、条約第13条に掲げられた、情報を求める権利と密接に関連している。この権利の行使は、子どもが見聞を広め、よって社会生活に参加できるようにすることを目的とするものだからである。子どもの権利委員会は、この権利を充足することは意見を聴かれる権利(第12条)の効果的行使の前提条件であるとも指摘してきた。委員会は、子どもは自己に関わるすべての問題についての、子どもの年齢および能力にふさわしい形式による情報(たとえば子どもの権利、子どもに影響を与える手続、国内法令および国内政策、地元のサービスならびに不服および苦情の申立て手続に関連する情報)にアクセスできなければならないと説明してきた。 33.委員会はまた、メディアが、子どもの意見表明権に関する意識を促進することおよびそのような意見表明の機会を提供することのいずれにおいても重要な役割を果たすとも指摘してきた(CRC/C/GC/12、パラ83参照)。この規定に基づくメディアのその他の義務には、さまざまな情報源からの情報へのアクセスを提供すること、若者が社会に対して行なう前向きな貢献を描くこと、子どものためのサービス、施設および機会に関する情報を普及すること、平等主義的な原則および役割を促進すること、ならびに、ポルノグラフィー、薬物および暴力の描写水準を最低限に留めることが含まれる(総会決議45/112付属文書〔リャド・ガイドライン〕参照)。 IV.表現の自由に対する子どもの権利の制限 34.子どもたちは、子どもの自由なコミュニケーションを認めることのリスクを過剰に言い立て、かつ子どもの主体性を過小評価することの多いパターナリスティックな態度が確立されていることの結果として、表現の自由に対する権利の実現を妨げる特有のハードルに直面している。加えて、子どもたちの権利は、おとなの表現の自由を阻害するすべての障壁の影響も受ける。 35.子どもの権利委員会は、多数の国々に対し、家庭、学校および社会一般を含むあらゆる領域で子どもに対する伝統的態度が残っていることにより、自由な自己表現に対する子どもたちの権利の受容が引き続き遅れていると指摘してきた(たとえばCRC/C/SGP/CO/2-3〔シンガポール〕、パラ33およびCRC/C/ECU/CO/4〔エクアドル〕、パラ40参照)。子どもたちの表現の自由を妨げる障壁は、子どもに対するおとなの権力に疑問が呈されないままの環境においてとりわけ蔓延している。教育現場は、子どもは自分自身の権利、意見および気持ちを有する人間であるという認識と子どもに対するパターナリスティックな見方との間に存在する緊張の一部が、特段のわかりやすさをともなって浮き彫りになる環境である。 36.教育の目的に関する一般的意見1号のパラ8で、子どもの権利委員会は次のように述べている。 「子どもは校門をくぐることによって人権を失うわけではない。したがって、たとえば教育は子どもの固有の尊厳を尊重し、かつ第12条第1項にしたがった子どもの自由な意見表明および学校生活への参加を可能にするような方法で提供されなければならない」 37.しかしながら、多くの国では、教育とはおとなが子どもをあらかじめ定められた形に成型するための手段であるという考え方のゆえに、子どもたちが自由な自己表現の権利を否定されている。このことは、たとえば生徒に学校の運営方法についての意見表明をさせないことが多い、権威主義的な学校環境および教育手法の蔓延(CRC/C/KOR/CO/3-4〔韓国〕、パラ40参照)に明らかである。場所によっては、意見を発展させかつ表明するよう子どもに奨励する参加型の教育手法ではなく、暗記学習が引き続き標準とされているところもある(CRC/C/15/Add.148〔サウジアラビア〕、パラ39)。 38.生徒が団体を作ることおよび政治的意見または論争を招きかねない意見を表明することを認めていない学校は多い。1969年のティンカー対デモインズ独立コミュニティ学校区事件(Tinker v. Des Moines Independent Community School District)は、おそらく子どもの表現の自由の保護に関する最初の重要判例であろう。1965年12月、3人の生徒(13歳、15歳および16歳)が、ベトナム戦争に抗議するため、平和のシンボルをあしらった黒い腕章を着けて学校に行くことを計画した。その抗議の計画を耳にした地方学校当局は、学校における腕章の着用を禁止し、関与した生徒らを停学にした。生徒らはアメリカ自由人権協会の支援を得て裁判所に不服申立てを行ない、その申立ては、1969年、アメリカ合衆国最高裁判所によって認められた。 39.司法制度は、根深い権威主義的慣行を修正するうえでしばしば重要な役割を果たす。いまのところ、表現の自由および情報へのアクセスに対する子どもの権利を確認した裁判所の決定例はほとんどない。しかし、とくに米国では教育現場における実例が増えつつある。たとえば、フロリダのある高校生は、学校でゲイの権利を支持するいかなるシンボルも着用してはならないとされた。校長が、虹をあしらったいかなるシンボルも生徒にゲイの人々のセックスを連想させると考えたためである。連邦裁判所判事は、前述のティンカー事件判決を引用した決定で、学校は当該生徒の権利を侵害したと判示した [9]。 [9] American Civil Liberties Union, "Federal judge rules that students can t be barred from expressing support for gay people" (13 May 2008). 40.生徒が運営する刊行物は、生徒が意見を表明できるもうひとつの重要な手段である。これらの刊行物は、若者にとっての関心事であり、おとなが議論に居心地の悪さを覚えるかもしれない問題についての報告が掲載されることから、支援の供給源となる。しかし、生徒の記事は、ティーンエイジャーの妊娠や親の離婚の影響等の問題を取り上げているという理由で検閲の対象とされてきた。生徒によるソーシャルメディアへの投稿もますます監視の対象とされるようになっており、場合により、子どもが学校の批判を投稿したという理由で退学になることもある。 41.文化的活動への子どものアクセスも、正当な理由なく検閲の対象とされる場合がある。1993年のドゥンドゥズ・チシザ対ケイト・カインジャ大臣事件(Dunduzu Chisiza Jr. v. Minister Kate Kainja)で、マラウィの裁判官は、公立学校で独立系グループが行なうすべての劇その他のパフォーマンスを禁じるのは表現の自由の侵害であると異議を申立てた役者の申立てを認容した [10]。一部の学校が宗教的理由で音楽の自由を禁じているという報告もある。 [10] Article 19, "Kid s talk freedom of expression and the UN Convention on the Rights of the Child" (1999)参照。 42.学校カリキュラムの内容の制限も、多様な情報源からの情報に対する子どものアクセスに影響を及ぼす場合がある。これとの関連で、学校管理者が支持する考えに逆行する考えを記載した書籍および教材が禁じられることも、もうひとつの懸念事項である。たとえば、1982年の教育委員会対ピコ事件(Board of Education v. Pico)で、米国の裁判所は、思想上の理由で書籍を学校図書館から取り除くことはできないと判示している。 43.情報を直接禁止することに加え、一部の学校カリキュラムでは、歴史に関する偏った見方または特定の集団(女子、セクシュアルマイノリティ、民族的マイノリティまたは障害のある子どもなど)に対する偏見のある見方が提示される場合もある。自分自身の意見を形成する子どもの自由に悪影響を与え、かつ逆に差別を固定化させることにつながる可能性があるこのような状況については、さまざまな国連条約機関が各国に対する勧告のなかで提起してきた。 44.この問題については欧州社会権委員会も取り上げている。同委員会は、2009年、性教育を取り上げたクロアチアの学校カリキュラムが性的指向を理由とする差別を行なっていると認定した。同委員会は、カリキュラムに掲げられた一部の説明は同性愛者にスティグマを付与するものであり、かつ否定的な、歪められた、非難されるべき、かつ品位を貶めるステレオタイプに基づいていると指摘している [11]。 [11] International Centre for the Legal Protection of Human Rights v. Croatia. 45.表現の自由に対する子どもの権利を制限することの影響は、校門の内側には留まらずに公的生活にも及ぶ。子どもたちは、おとなとまったく同様に、政治的意見を表明したことを理由に過度の暴力または恣意的拘禁の対象とされる可能性がある。たとえば、子どもの権利委員会は最近、シリア・アラブ共和国に対し、南部の街であるダルアで、校舎の壁にペンキで反政府的な落書きを行なったとして罪に問われた8~15歳の児童生徒の集団が逮捕および隔離拘禁の対象とされたこととの関連で、このような人権侵害があったことを強調した(CRC/C/SYR/CO/3-4、パラ46参照)。ベラルーシに対しても、2010年12月の大統領選挙との関連で行なわれたデモの際に青少年が拘禁されたことについて懸念を表明している(CRC/C/BLR/CO/3-4、パラ35参照)。 46.法律による比例性を欠いた制限は、おとなおよび子ども双方の権利への干渉となる。これには、たとえば表現の自由は「イスラムの原則」に照らして解釈しなければならないという要件を引用する曖昧な文言の制限条項を掲げた法律や、安全保障に対するリスクの過度に広範な解釈が含まれる。これは、子どもの権利条約第13条第2項および第15条に定められた制限を超える可能性がある(CRC/C/15/Add.254〔イラン〕、パラ40およびCRC/C/PRK/CO/4〔北朝鮮〕、パラ27-28参照)。 47.平和的集会に対する子どもの権利の不当な制限には、子どもの表現の自由を妨げる一般的な障壁の一部が反映されている。平和的集会および結社の自由に対する権利に関する特別報告者は、最近の報告書で次のように指摘している。 「若者が一部のデモに参加することについて安全上の懸念があることもあろう。しかし、……マレーシアの法律のような法律〔15歳未満の子どもはデモに参加できないとするもの〕は、そのような懸念に具体的に対応するのに十分なほど限定されたものとなっていない。むしろ、特定の年齢の個人を対象とする全面的禁止は、住民のある層全体について平和的な集会に参加する権利を例外なく消滅させるものであって、子どもの権利条約第15条に反している」(A/HRC/26/29、パラ24参照) V.表現の自由に対する比例性を欠いた制限の正当化事由として利用される子どもの保護 48.分野によっては、一部のタイプの情報へのアクセスに関して子どもの安全および福祉を懸念すべき正当なかつ理解できる理由が存在する場合もある。たとえば、多くの国は、とくに子どもの保護を目的として放送(とくにテレビ)を規制している。国による規制にはたとえば何らかの年齢別放送制限システムが含まれ、かつそのシステムを執行するための独立機関が設置されていることが多い。子どもにはふさわしくないと一般的に考えられている内容には、性的に露骨な内容、暴力および攻撃的言葉が含まれる。ただし、規制はメディアの自由に相当の影響を与えかねない。そのうえ、何が有害な情報にあたるかの定義は主観的なものである。したがって、子どもの保護を目的とするあらゆる規制および当該規制を執行するために設けられた機構は、おとなおよび子ども双方の権利を縮小させる比例性を欠いたまたは恣意的な制限が課されることを防止する目的で、開かれた、かつ透明なやり方で定期的に再検討することが求められる。さらに、これらの規制の執行を委ねられた機関の独立性を確保することはきわめて重要である――たとえば当該機関の構成に関する規則は、とくに政治的勢力または経済的利害によるいかなる干渉からも保護されるような形で定めることが求められる。 49.たとえばインターネットのフィルターの設定方法の決定にあたって有害な情報を曖昧かつ広範に定義すれば、結果として、十分な情報に基づく決定を行なうための支えとなりうる情報(性教育および薬物の使用等の問題に関する誠実な、客観的なかつ年齢にふさわしい情報を含む)に子どもがアクセスできなくなりかねない。これは、リスクに対する子どもたちの脆弱性を軽減するのではなくむしろ悪化させてしまう可能性がある(さらに詳しくはインターネットについて取り上げた後掲VII参照)。 50.有害な資料から子どもを保護するために事前検閲を行なうことは、国際人権基準に逆行する比例性を欠いた制限の一例である。たとえば、『最後の誘惑』(オルメド・ブストスほか)対チリ事件(The Last Temptation of Christ (Olmedo Bustos et al) v. Chile)において、米州人権裁判所は、チリ政府が子どもの道徳を保護するためにマーティン・スコセッシの映画『最後の誘惑』を禁止したことは米州人権条約第13条(思想および表現の自由)の違反であったと判示した。同裁判所は、判決理由として、映画館への子どもの入場を規制することなど、事前検閲よりも制限度の低い措置をとることによって子どもを保護することは容易であったと述べている。 51.事前検閲に関するより最近の判例(南アフリカ印刷媒体連合ほか対内務大臣ほか〔Print Media South Africa and Another v. Minister of Home Affairs and Another〕事件)で、南アフリカ高等法院は、南アフリカ映画および出版物法(1996年法律第65号)の改正は表現の自由に対する憲法上の権利を侵害していると宣言した。同改正は、子どもが年齢にふさわしくない資料に接することを防止し、かつ児童ポルノを禁止する目的で、出版者に対し、出版物を提出して事前の承認を得るよう(若干の例外を除いて)要求するものであった。同決定は、事前抑制システムについての懸念ならびに出版物の分類に関する曖昧かつ過度に広範な基準についての懸念を指摘している。 52.子どもを保護しなければならないという主張は、情報への子どものアクセスのみならずおとなの権利に対する制限をも正当化するために子どもがますます利用されるようになってきているという、新たなパターンの一部となっている。多くの場合、制限は、子どもを有害な情報から保護したいという、真摯なかつ善意に基づく願いに根ざしたものであるが、差別および検閲を擁護するために子どもが利用される場合もある。 53.もっとも憂慮されるのは、子どもを保護しなければならないという主張が、たとえばレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルおよびトランスジェンダーに関する問題についての情報へのアクセスを妨げるために、またそれによってセクシュアルマイノリティへの差別を正当化するために利用されていることである。ロシア連邦では、子どもを有害な情報から保護する行政法の改正が2013年7月に施行され、子どもたちの間で「伝統的ではない性的関係を宣伝すること」が違法化された [12]。平和的集会および結社の自由に対する権利に関する特別報告者は、他の委任受託者らとの合同声明で当該法についての懸念を公に表明した。子どもの保護を理由としてロシアの反同性愛者法を正当化しようとする論拠は、欧州人権裁判所によっても、2011年のアレクセイエフ対ロシア事件(Alekseyev v. Russia)において拒絶された。このような批判にもかかわらず、他の国々も追随している。ウクライナでは、2013年、子どもを対象とする「同性愛関係の宣伝」を禁止する法案を議会が検討するべきである旨の勧告が行なわれた [13]。同法案では、「宣伝」は、同性間の関係に関する情報の拡散を目的としたあらゆる公的な活動と定義されている。2014年6月には、キルギスタン議会の人権委員会が、「伝統的ではない性的関係に対する肯定的な態度の形成を目的とした」情報の普及を犯罪化する法案を承認した [14]。 [12] ロシア連邦法第135-F3号(2013年7月29日)参照。 [13] 子どもを対象とする同性愛関係の宣伝の禁止に関する法案第1155号(2011年6月)参照。 [14] 子どもの健康または発達にとって有害な情報からの子どもの保護に関する法案(2014年)参照)。 VI.子どもの表現の自由の促進 54.表現の自由に対する子どもの権利の保護することとは別に、国は子どもの表現の自由を促進する義務も負っている。子どもの表現の自由を保障するためにおとなが組織する音楽、芸術および演劇等の活動への子どもの参加を奨励するだけでは十分ではない。子どもたちは、処罰を恐れることなく、自分たちの意見を口頭またはその他の手段で詳しく述べる、満足に足る機会および空間を持てるべきであり、かつ多様な情報源からの情報に国境を越えてアクセスできるべきである――このことは、すべての子どもに対し、差別なく適用される。このような積極的義務は、公立図書館、音楽指導等の活動および遊び場等の施設のための資金が真っ先に削減されることの多い経済危機の際にも留意されるべきである。子どもたちの表現の自由を積極的に促進するために考えられる方法の若干例を以下に示す。 A.団体を作り、かつ政治に参加する子どもたちの自由の奨励 55.若者市長制から子ども議会に至るまで、子どもたちが政治に参加するための仕組みがますます用意されるようになりつつある。アイスランドでは、財政危機後の2008年、市民による憲法の書き換えを行なうことが合意された。この一環として、憲法改正プロセスで子どもおよび若者の意見も考慮されることを確保する目的で「若者憲法プロジェクト」が設置された。ドミニカ共和国では、学校における安全な飲料水の供給等の問題を扱う自治会評議会が創設され、若者による選挙でその構成員が選ばれている。 56.政治に新たな世代の子どもたちの関与を得ることは、政治文化を刷新し、かつ選挙への参加を増進させるために役立つ。最低投票年齢を16歳に引き下げた国もいくつかあるが、これは、子どもたちの意見の正当性を公的に認め、かつ子どもたちの政治参加を奨励することにつながる前向きな一歩である。あらゆる年齢の子どもたちが、自ら希望するのであれば、公共政策に関する政治的プロセスおよび協議に何らかの形で関与する機会を与えられるべきである。 B.子ども主導型アドボカシーの奨励 57.子どもたちが主導するキャンペーンは、重要な議論を喚起し、かつ社会全体に利益をもたらしてきた。子ども主導型アドボカシーの取り組みを展開する際には学生連合が中心的役割を果たすことが多い。たとえば2011年には、チリの高校生および大学生数千人が法外な教育費負担への抗議を行なった。これらの学生による動員の政治的影響は、チリの教育制度に関して続けられている議論のなかで引き続き感じられている。教育費負担に対する同様の学生による抗議はいくつもの国で行なわれてきた。 58.韓国では、教育制度内の権威主義的慣行に反対する大規模な社会的動員を高校生が進めてきた。生徒によって喚起された公的議論の結果、2012年、ソウル特別市議会は児童生徒権利条例を採択した。これは、とくに生徒の抗議権、体罰の禁止、宗教的活動への参加義務の撤廃ならびにレズビアン、ゲイ、トランスジェンダーである生徒ならびに妊娠した生徒の差別からの保護を確保するものである。この動員の流れで韓国の生徒により結成された韓国青少年権利行動は、引き続き生徒の積極的活動を推進している。 59.英国の13歳の少年は、自分が通う学校の差別的な服装規則(夏期に女子のスカート着用を認めながら男子の短パン着用は認めない)に反対して立ち上がった。クリス・ホワイトヘッドは、男子のスカート着用は禁じていないという、制服に関する学校方針の抜け穴を利用した。仲間の生徒約30名が抗議に加わり、これがきっかけとなって学校は政府に関する方針を見直した。一方、クリス・ホワイトヘッドは自由人権賞候補にノミネートされた [15]。 [15] Lucy Sherrif, "Chris Whitehead, schoolboy who wore skirt to school, up for human rights award", Huffington Post (21 November 2011). 60.インドでは、「児童婚に反対する女子クラブ」ネットワークのメンバーが、若年婚の有害な影響に関する啓発活動を行なうことにより、娘を幼くして婚姻のために手放すことがないよう家族を説得する支援をしている。このような活動は、家族の圧力に抵抗したいと考える女子だけではなく、ジェンダーを基盤とする期待にさからえば娘が排斥されたままになると恐れる親にとっても命綱となっている [16]。 [16] Melanie Kramers, "Indian girls persuade parents they are too young for marriage", Guardian, 29 June 2011. C.さまざまな情報源からの情報へのアクセスの確保 61.子どもたちが自分自身の意見を形成し、かつ見識および責任のある市民になれるようにするためには、さまざまな情報源からの情報にもアクセスできなければならない。このようなアクセスは、多くの子どもたち、とくに孤立したコミュニティで暮らす子どもおよび自由を奪われた子どもにとっては限られたものとなっている。子どもの権利委員会も、マイノリティ集団にとっての情報のアクセス可能性(情報がこれらの集団のニーズに十分に関連しておらず、またはこれらの集団自身の言語でアクセスできるようになっていない可能性)および障害のある子どもにとっての情報のアクセス可能性の問題を提起してきた。 62.委員会は、「子どもとメディア」に関する一般的討議をもとにまとめられた勧告において、子ども向けの書物、雑誌、演劇その他の形態の表現の制作および普及を確保するための国による予算的支援の重要性および国際協力を通じた援助の重要性を確認している(CRC/C/15/Add.65、パラ256)。コミュニティ放送および公共放送への投資は、多様な情報源からの情報へのアクセスを促進するうえで、また子どもたちの声をメディアに反映させるうえで中心的役割を果たすことが多い。たとえばアルゼンチンでは、通信および視聴覚サービス法により、公共放送機関を対象として、子どもたちのための、および商業放送によって軽視されているその他の層のための番組を放送する時間を確保する義務が定められている。同法の実施の監督を委ねられている公的機関は、通信および視聴覚サービスについて議論するための公聴会(子どもたちを対象とするものを含む)を推進している。また、最近では、生徒が主導して自分たちの学校で行なうラジオ放送活動も支援してきた。さらに、アルゼンチン教育省は、コンテンツ制作への子どもの積極的参加を通じたものも含む、子どもに配慮した教育番組制作の促進を目的としたチャンネルの開設を支援している。 D.メディアの自主規制の促進 63.予算的支援を提供することに加え、国は、メディア団体に対し、子どもたちの取り上げ方および関与のさせ方に関する自主規制を奨励することができる。国際ジャーナリスト連盟は子どもに関連する問題についての報道に関する指針案および原則案を策定してきたが、これは70か国のジャーナリズム団体によって採用されている。これには、ステレオタイプの使用および子どもが登場する話のセンセーショナルな提示を回避することについての規定も含まれている。 64.子どもたちはメディアへの参加権も有しており、刊行物のなかには完全に子どもたちによって運営されているものもある。前述の一般的討議をもとにまとめられた勧告で、子どもの権利委員会は、メディアに対する子どもたちの参加権を促進しながら、生徒はメディアとの関わりおよびメディアの活用を参加型の方法で実践し、かつ広告を含むメディアのメッセージの解読方法を学習できるようにされるべきであると主張している(CRC/C/15/Add.65、パラ256)。 VII.子どもたちによるインターネットへのアクセス 65.インターネットは、世界のすべての地域に住む子どもたちおよびおとなの、迅速かつ安価にコミュニケーションをとる能力を劇的に向上させてきた。そのためインターネットは、子どもたちが表現の自由に対する権利を行使するための重要な手段のひとつであり、また子どもたちが他の権利(教育、結社の自由ならびに社会的、文化的および政治的生活への全面的参加に対する権利を含む)を主張するのに役立つツールになりうる。インターネットはまた、子どもたちを含むすべての市民の関与が必要とされる開かれた民主的社会の発展にとっても不可欠である。しかし、インターネットの規制をめぐる議論では、子どもによるインターネットへのアクセスと関連した潜在的リスクについても突出した形で取り上げられ、保護のための政策において、インターネットが有するリスクにもっぱら焦点が当てられて、インターネットが子どもたちのエンパワーメントにつながる潜在的可能性は見過ごされる傾向がある。さらに憂慮されるのは、子どもを保護したいという真の思いからか、または検閲の隠れみのとしてかにかかわらず、比例性および有効性を欠いた措置(すべての人を対象としてオンライン上のコミュニケーションを阻害する、広範で配慮を欠いたフィルタリングおよびブロッキングのシステムなど)を利用する国もあることである。 66.インターネットが広がったことにより、数百万人の人々が前例のない規模で学習、発信およびコミュニケーションをすることができるようになった。インターネットは、学校における双方向的利用の可能性およびそこで利用可能とされる広範囲の情報を通じ、大いなる教育的利益を提供しうる。たとえばウルグアイの「プラン・セイバル」(Plan Ceibal)は、教育制度を通じてインターネットへのアクセスを促進する注目すべき実例である。より具体的には、子どもの権利委員会が提案するように、インターネットは、通学することのできない子どもたちに対し、インターネットに依拠した移動学校プログラムを通じて教育を提供できることから、教育において重要な役割を果たす(CRC/C/GC/11、パラ61)。 67.インターネットはさらに、若者が公の議論に参加するための他に例のない経路となる。たとえば米国では、17歳の少年が、学校で同性愛について話し合うことを教師に禁ずる法案に抗議するためのツイッター・キャンペーンを組織したという [17]。 [17] Shira Lazar, "Is it okay to say gay? Devon Hicks protests Tennessee bill", Huffington Post, 25 May 2011. 68.ソーシャルネットワーキングサイトも、人間関係を育み、かつ情報交換および交流を容易にする手段として、子どもたちにとってますます重要なものとなっている [18]。子どもたちの報告によれば、ソーシャルネットワーキングは、創造性を助長し、仲間の好みを参考にした選択および意見形成を可能にし、議論を促進し、かつオフラインでは利用できない自己表現の場を提供してくれるものである [19]。これらのサイトは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルおよびトランスジェンダーのコミュニティなど、このような場がなければ孤立感を覚えるかもしれないマイノリティ集団のメンバーにとってとりわけ重要な役割を果たす可能性がある [18]。 [18] UNICEF Innocenti Research Centre, Child Safety Online Global Challenges and Strategies (May 2012). [19] Child Exploitation and Online Protection Centre, Understanding Online Social Network Services and Risks to Youth Stakeholder Perspectives (2006). 69.とはいえ、インターネットの利用には子どもたちにとって若干のリスクがともなうのも事実である。インターネットの利用に関連するリスクとして広く認知されているものには、ポルノグラフィ―的資料にさらされること、ネット上での性的勧誘およびネットいじめなどがある。 70.たとえば性的搾取の場合、テクノロジーの進歩(インターネット接続の高速化や、インターネットサービスプロバイダを迂回する新たな資料伝達方法を含む)により、児童虐待をともなう画像の共有が容易にされてきた。ネット上での性的勧誘にもインターネットが用いられているが、現在では、性的虐待を行なう目的で子どもまたは若者と「仲良く」なり、オンライン上で性的接触を図ることまたは実際に会うことがその目的となっている [18]。犯罪者は、このような目的で、チャットルーム、ソーシャルネットワーキングサイトおよびインスタントメッセージのようなオンライン上のフォーラムを利用することが多い。これにより「伝統的なプライバシーの境界が解体され」、子どもたちがリスクにさらされる結果が生じている [18]。最後に、最後に、ネットいじめとは、情報通信技術を通じておとなまたは他の子どもが行なう心理的いじめおよびいやがらせと理解されている。ネットいじめは、脅迫および威嚇、いやがらせ、ネットストーキング、中傷および名誉毀損、排除または仲間からの拒絶、なりすまし、私的な情報または画像の勝手な公表ならびに自分の思い通りに行動させようとすることなど、さまざまな形態をとりうる。これは、ただでさえ社会のなかで弱い立場にあると考えられている集団にとってはとりわけ問題である [18]。 A.比例性を欠いた制限が採用されることについての懸念 71.インターネットはすべての子どもにとって危険であるという一般的な恐怖心は誤解につながりやすく、インターネットは特定の状況下で有害にも有益にもなりうるという現実を過度に単純化している。オンライン上のリスクに対する子どもたちの脆弱性をより幅広い社会的・文化的視点から理解することにより、これらの懸念がどのような性質のものであり、かつそれをどのように捉えるべきかについて、より深い知見を得ることが可能である。子どもたちによるインターネットの利用状況、その行動およびリスクに対する脆弱性は年齢によって異なり、かつ個々の子どもによっても変わってくる。保護のための措置は、子どもおよびおとなに同様に悪影響を与える絶対的ブロックまたは検閲の措置を利用するのではなく、子どもたちの発達しつつある能力を認めようとするものでなければならない [18]。 72.平和的集会および結社の自由に対する権利に関する特別報告者はかつて、インターネットに対する制限が増えていることを懸念とともに指摘していた。たとえば、活動家および批判者を標的にして沈黙させ、かつ合法的表現を犯罪化する目的でオンライン上の活動のブロックおよび監視を行なうことなどである――一部には、政府がそのような措置を正当化するために制限的法律を制定したケースもある(A/HRC/17/27、パラ23参照)。このような制限は透明性を欠く形で課されることが多いため、検閲問題の報告が困難になる。さらに、たとえ若干の水準の制限は正当化される場合があるとしても、不法な内容以外の資料を一括して禁ずることは保護という目的との関係で比例性を欠く(前掲、パラ44)。それどころか、そのような措置は、表現の自由に対するおとなの権利を過度に制限してしまうことから、オンライン上のリスクに関する議論を抑止することで子どもたちをいっそう危険な状況に置いてしまうことに至るまでの、意図しない影響ももたらす。 73.特別報告者は、親および学校当局が、インターネットへの子どものアクセスを管理するためのソフトウェアを利用し、かつオンライン上の安全について子どもたちを指導することができる場合、国の関係機関による全面的禁止は必要とされないと指摘している(A/HRC/17/27、パラ27参照)。それどころか、国の関係機関がそのような広範な禁止を決定することは、インターネットへの子どものアクセスに関する判断権を親および養育者が行使することの妨げとなるので、子どもの権利条約第18条と両立しない。加えて、自主規制戦略に関してコンテンツ提供者を援助するためのプロジェクトもいくつか進行中である。 74.子どもたちによるインターネットの利用状況に関する理解が限られているために、子どもの保護を目的とした、より制限的なアプローチがしばしば採用される [20]。実のところ、子どもおよび若者の圧倒的多数は、オンライン上の自分たちの振舞いが被害または危害につながるとは考えていない。子どもたちはすでにインターネットから身を守るためのさまざまな戦略を活用しており、これにはオンラインまたはオフラインの友人に相談すること、望まないコンテンツをブロックしまたは無視すること、プライバシー設定を変更することなどが含まれる [18]。調査によれば、親および教師がインターネットのことをよく知らない場合に、子どもたちはオンライン上でよりリスクの高い振舞いをすることが明らかになっている [20]。逆に、親が十分な情報を得ており、積極的に関与しようという姿勢を有しており、かつインターネットおよび自分の経験について子どもたちと話し合うことこそ、より安全なオンライン経験を確保するためのもっとも強力な保護措置であることも、証拠により示唆されているところである [18]。このことは、親および養育者がとる措置のほうが、広範な制限を課すことに傾斜する現在の傾向よりも、子どもたちを保護するうえでより効果的であることを示唆していると思われる。 [20] Sonia Livingstone and Monica E. Bulger, "A global agenda for children s rights in the digital age recommendations for developing UNICEF s research strategy" (September 2013). B.インターネットの利用に関する子どもたちのエンパワーメント 75.インターネットを含む情報通信技術が、安全も促進しつつ子どもたちの権利および発達を促進するような方法でこれらの技術を活用できるように子どもたちのエンパワーメントを図るという観点から規制されかつ監視される環境をつくっていく必要がある(CRC/C/GC/13参照)。欧州委員会による「子どもたちのためのインターネットの改善に関する欧州戦略」は、オンラインにおける子どもたちの安全を向上させるための戦略の有益な実例である [21]。ただし、エンパワーメントとは、インターネットを子どもたちにとってより安全な空間にするというだけの話ではない。インターネットがどのように情報アクセスツールおよび子どもたちの批判的思考を支援するツールとなっているかという点に注意を向けることも必要である。 [21] Brian O Neill, "Policy influences and country clusters a comparative analysis of Internet safety policy implementation" (London School of Economics, 2014) も参照。 76.子どもたちのエンパワーメントには、子どもの発達しつつある能力を念頭に置きながら子どものインターネット利用を支援するための、親を対象とした訓練および子どもとともに働く専門家を対象とした訓練が含まれなければならない [18]。オンライン上の安全および子どもの発達にとって有益な情報を紹介する積極的方法のひとつは、情報通信技術に関する学校方針の策定に子どもたちの関与を得る等のやり方も含め、学校カリキュラムを通じてそれを行なうことである。非政府組織および公共通信(ラジオなど)は、学校に行っていない子どもたちに対して同様の支援を提供することができる [16]。子どもの安全を確保するための取り組みの例をいくつか挙げるとすれば、「セイファーネット・ブラジル」、「スロバキア・セイファーインターネット・センター」、ベネズエラ・ボリバル共和国の「マノス・ポル・ラ・ニニェス・イ・アドレッセンシア」(子ども・青少年のための手)などがある。 77.インターネット上の保護およびインターネット利用促進のための戦略を策定する際には、子どもたちのニーズを満たし、かつ子どもたちがすでに用いている多様な知的戦略および創造的戦略を活用するために子どもたちの関与を得ることが、とくに子どもおよび若者は最新技術にいっそう親しんでいる傾向があるだけに、重要である。このような関与戦略は、信頼関係の構築および開かれたコミュニケーションの奨励にも役立ちうる。子どもの権利委員会は、すべての国が、保護のための子どもにやさしいヘルプラインをともなった、アクセスしやすく子どもにやさしい通報制度を設置するよう勧告している(CRC/C/GC/12、パラ120参照)。 C.調査研究の拡大 78.子どもの権利の行使におけるインターネットの役割を明らかにするためには、とくに、子どもがインターネットをどのように利用しているか、子どもはインターネットの安全な利用法をどのように学習しうるか、および、どのようにすれば親、養育者および国はインターネットを破壊的なツールではなく肯定的なツールとしてとらえられるかということとの関連で、いっそうの調査研究が実施されなければならない。また、インターネットについて現在行なわれている利用制限を注意深くかつ批判的に検討することにより、子どもおよびおとなにとっての潜在的悪影響を明るみに出し、インターネット上の安全に関わる懸念の実際的解決策を奨励し、かつインターネットにおける子どもたちのための機会を最大化することも重要である。 VIII.結論および勧告 79.表現の自由に対する子どもの権利は、すべての子どもの権利の保護にとって画期をなした子どもの権利条約を含む国際人権条約によって十分に確立された権利である。実際上、子どもたちを権利の全面的主体として承認すること――条約に掲げられた理念――は、法律、政策および態度の転換を必要とする。表現の自由に対する子どもの権利を尊重し、保護しかつ促進することは、このような転換の中核である。 80.世界人権宣言と市民的および政治的権利に関する国際規約は、第19条で表現および意見の自由に対する権利を定めているが、この権利を享有するのはもっぱらおとなであるとは述べていない。それどころか、規約前文では、国際連合憲章において宣明された原則にしたがい、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳および平等のかつ奪いえない権利を認めることが世界における自由、正義および平和の基礎をなすものであると定められている。前文ではまた、これらの権利がすべての者に固有の尊厳に由来するものであることも認められている。 81.子どもの権利条約が世界のほぼすべての国によって批准されたにもかかわらず、表現の自由に対する子どもの権利を実効あらしめるためにとられた措置はあまりにも少なく、子どもたちにとってのこの権利の実現を妨げる多くの障壁が依然として残っている。学校および家庭では、異議を申し立てられないままの権威主義的な態度がおとなと子どもとの関係を形づくっていることが多い。より憂慮されるのは、通信技術の進展とともに一部の国が表現の自由に対する比例性を欠いた制限を採用し、それを、実質的に子どもおよびおとなの権利を制限するものでありながら、子どもたちを危害から保護するための措置として打ち出していることである。 82.国が子どもたちを保護する基本的義務を負っていること、および、子どもに指導を行なうのがおとなの義務であることは明らかである。しかし、子どもの保護と表現の自由を対立する目標として扱ってはならない。逆に、子どもたちが優れたコミュニケーションスキルを発達させ、かつ新たなテクノロジーの積極的活用を学べるよう支援することによってこそ、危害から身を守る子どもたちの能力を増進させることができるのである。 83.子どもたちはおとなと同じ成熟度に達していないかもしれないが、子ども時代とは変化のプロセスであり、その過程で成熟が徐々に進んでいく。意見を発展させかつ明確に表現する能力は、人生の最初期の段階から開始される学習プロセスより生じるものであり、当該プロセスの完遂のためには適切な尊重および奨励が必要である。子どもを危害から保護する義務の懈怠が重大なリスクをもたらすとすれば、子どもたちがその精神、批判的思考および意見を発達させる余地を否定することも同様の結果につながる。特定の事柄に関する情報を奪い、かつ公的議論への参加を禁止することは、子どもたちの孤立および政治的疎外を強化させるだけになりかねない。子どもが意見を聴かれる権利を行使できるようにすることは、義務であるだけに留まらず、保護措置の有効性の増進にとってもきわめて重要なのである。 84.国は、あらゆる公共政策の最前線に子どもの最善の利益という目標を据え続けることをけっして忘れてはならない。これには、子どもたちを危害から保護するための規制の規範を確立することとともに、同時に、すべての規範において表現の自由に対する権利に関連する国際基準が遵守されるようにすることが含まれる。 85.特別報告者は、各国が次に掲げる措置をとるよう勧告する。 子どもの表現の自由に対する不当な制限を撤廃する目的で法令および政策を見直すこと 86.国は、国際人権基準との一致を図る目的で、子どもの自己表現の権利および情報へのアクセス権を制限する国内法令および国内政策を改正するべきである。おとなまたは子どもの表現自由を制限するいかなる法律においても、この権利の制限について確立されている3つの基準、すなわち曖昧さのない法律による規定、正当な目的の追求ならびに必要性および比例性の原則の尊重も遵守されなければならない。 87.国は、放送活動、インターネットおよび他のあらゆるメディアにおける子どもの保護についての法令を注意深く改正するべきである。たとえば、放送活動における子どもの保護のための番組類別制度は受け入れられるが、いかなる特定の表現についても、それが公表される前に事前検閲の対象とすることは受け入れられない。通信に関する規則の執行権限を与えられた機関の独立性は、政治的および経済的干渉から保護されるべきである。 88.国は、子どもの主体性の促進において学校が中心的位置を占めることに鑑み、教育制度における権威主義的な規範および実践を取り除くことに特段の注意を払うべきである。 表現の自由に対する子どもの権利を促進すること 89.国は、表現の自由に対する子どもの権利(情報へのアクセスを含む)をあらゆる場面で積極的に促進するべきである。家庭、学校および社会一般を含むあらゆる領域で見られる、子どもたちへの伝統的な権威主義的態度に異議を申し立ててもよい。とくに国は、子ども主導の活動のための回路の創設に注意を払うべきである。 90.国は、子どもたちが学校で多様なコミュニケーション形態(口頭、文書およびあらゆる形態の芸術を含む)を用いることを奨励するべきである。学校カリキュラムにおいて、社会的コミュニケーション、メディアおよびジャーナリズムについての知識を伝達することが求められる。 91.国は、異なる年齢層の子どもを対象とした教育的および娯楽的内容を有する番組づくりならびに内容を子どもたちが制作する番組づくりを促進するべきである。 インターネットへのアクセスおよびオンライン上の安全を促進すること 92.国は、あらゆる場面で子どもたちによるインターネットへのアクセスを促進するために積極的措置をとるべきである。教育制度において、子どもが有するすべての権利(とくに表現の自由に対する権利、公的生活に参加する権利および教育に対する権利)の促進におけるインターネットの中心的役割を考慮することが求められる。インターネットを、否定的なまたはその他の点で危険な媒体と見なすのではなく、肯定的な――個々の子どもおよび社会全体にとっての利益を有する――資源として捉え直すための努力が行なわれるべきである。たとえば、すべての社会的出身の子どもにとって、インターネットは書籍にアクセスするための優れた手段となる。 93.国は、子どもたちの安全を脅かすインターネットのリスクに対し、オンライン上の危害から身を守るための利用者の能力の増進を含むホリスティックな戦略を通じて対応するべきである。戦略には、親を対象とする訓練および子どもとともに働く専門家を対象とする訓練を含めることが求められる。オンライン上の安全の促進を目的とした取り組みの立案および実施には、子どもたちの積極的関与を得るべきである。インターネットが子どもたちの生活に及ぼす影響についても、さらなる調査研究が必要とされる。 表現の自由に対する子どもの権利への国際的関心を高める 94.表現の自由に対する子どもの権利の侵害に対し、すべての国際人権保護機構によって常に注意が払われるべきである。とくに子どもの権利委員会は、各国に対する勧告のなかで第13条および第17条を組織的に取り上げていくことができる。 更新履歴:ページ作成(2015年4月10日)。